「家を売却しようと思っているが高額査定のポイントはあるのかな?」
「売却を考えた時の不動産会社の選び方のポイントはなんだろう?」
「査定を受ける時のポイントってあるのかな?」
など、家を売ろうと思った時にさまざまなポイントについて疑問や質問をもたれている方もいると思います。
そこで今回は、不動さんが、「不動産会社を選ぶ時のポイント」「査定額が高くなるポイント」を解説してくれるようですよ!
しっかりと抑えるべきポイントをチェックして満足のいく不動産売却をして下さい。
家を売却する時の不動産会社を選ぶポイント
不動産の査定は1つのサービスで、それを受けるかどうか決めるのはあなた次第です。
しかし、相場とまったくかみ合っていない価格で売りに出したとしても、高すぎれば反応はなく、安すぎれば損をしてしまうでしょう。
そのため、相場感もわからずに動き出すのは得策でありません。
したがって、不動産を売るときに必ずやるべきことは査定です。
不動産は常に価値が変わっていき需要と供給のバランスで市場が決まってくるので、いくらで売れそうなのかを知ることは非常に重要です。
では、どの不動産会社に査定依頼をすればいいのでしょうか?
不動産会社はどこに依頼すればいいか?
査定を依頼するときに最初に迷うのは、どこの不動産会社に依頼するかです。
査定の依頼先を大きく分類すると次のとおりになります。
・ 大手不動産会社
・ 地域密着型不動産会社
・ 一括査定サイト
それぞれ特徴があるので、詳しく説明していきます。
なお、査定の段階では契約前なので依頼したから契約を強制されることはまったくありません。
なので、納得するまで幅広く査定することも問題ありません。
大手不動産会社
広い情報網と取引実績を持っている、買い手としても大手不動産に集まりやすいので企業規模の大きさがそのままメリットになります。
ただし、査定は販売活動をする前の段階なので、一定の社内基準で算出されます。
そのため、大手だからメリットがあるものではありません。
その代わり、インターネットで簡単に何社も見つかる、大手不動産会社のサイトは無料査定のフォームを用意している、などとりあえずの価格イメージを知りたい場合には便利でしょう。
地域密着型不動産会社
地元に密着した小規模な不動産会社は、なかなか営業経費を大きく取れない場合が多いです。
そのため、サイトがない会社もあり、あったとしても不動産会社の手作りが多いです。
それが良い悪いということではありませんが、査定用のフォームが設置されていなかったり、問い合わせを前提にしたスタイルになっていたりと、ひと手間かかるのがデメリットです。
しかし、電話や来店で話をするのであれば、売却を依頼することになった時に不動産会社と長く付き合っていくことを考えると査定段階から不動産会社と話して、担当者の人柄などを判断しておくのもいいでしょう。
また、地域密着型の不動産会社は地域に精通しているので、大手不動産会社が見逃しやすい地域ならではの人気を査定に考慮できるかもしれません。
例えば、探し方は「地域名 不動産」で検索すると簡単ですが、見つけにくければタウンページやGoogleマップ等の地図ソフト・アプリでも探すことは出来ます。
不動産一括査定サイト
どこの不動産会社に査定依頼するか迷った時に、1社ずつ不動産の情報を伝えるのは面倒です。
そんな時に複数の不動産会社へ査定依頼できる一括査定サイトがあります。
一括査定サイトも複数あって迷うところですが、大体のサイトは登録している不動産会社が明記されているので不動産会社を基準に選べばそれほど困らないでしょう。
情報入力を一度入力するだけでいいのでとっても便利ですが、全国にあるすべての不動産会社が対象になっているわけではありません。
地方によっては対応していない場合があるので注意が必要です。
しかしその点を考慮しても、査定額を比較するためには便利で活用したいサービスです。
査定の種類と依頼数の目安を考える
査定をしてもらうのは簡単ですが査定の種類は2つあって、どの査定を利用してどのくらいの不動産会社に査定依頼するべきなのか迷ってしまう場合もあるでしょう。
なので、査定の種類についてと目安となる考え方について説明していきます。
簡易査定と訪問査定の違い
家の査定を行う方法は、簡易査定と訪問査定に分かれていて簡易査定は物件情報だけで行う査定、訪問査定は実際に現物を確認して行う査定です。
簡易査定
物件の種類(土地・戸建・マンション)、住所、広さ、築年数などの情報だけで概算価格を出してもらうのが簡易査定です。
この様に簡単な情報で査定できるのは、簡易査定の価格が周辺地域の類似物件で取引された実績から算出されていて現物を見る必要が無いからです。
多くの不動産会社へ査定依頼するのに向いてきますが、査定額よりも不動産会社を絞り込む目的や相場観を養う目的で使うのが本来の利用方法です。
例えば、他社と比べてものすごく高い価格を出してくる不動産会社は、依頼を取りたくて高くしていると疑うことが出来ます。
逆に、極端に低い価格を出してくる不動産会社は、査定から信用できないので売却を依頼しようと思わないでしょう。
訪問査定
訪問査定では所有者が立ち会いをしながら、担当者が物件の内外を確認して物件のプラス面やマイナス面を、一定の基準で採点しながら査定していきます。
訪問査定では実際に物件を見ているので、精度の高い査定ができるメリットがあります。
デメリットは、訪問した担当者に影響されてしまうかもしれないこと、立ち会いするための時間を作る必要があること、貸している物件は賃借人にも協力してもらわなくてはならないことです(特に戸建物件)。
訪問査定の方法は、不動産会社が各社で独自の基準を持っているか、業界団体の不動産流通推進センター(旧不動産流通近代化センター)の価格査定マニュアルを利用して、詳細まで調べて不動産を評価しています。
イメージとしては、簡易査定が事前の査定調査、訪問査定が本番の査定のような感じでしょうか。
最終的には訪問査定をしてもらう事になるので、簡易査定だけでは終わりません。
だからといって簡易査定は必要ないかというと、それはまた違ってきます。
簡易査定には簡易査定を使うだけの理由があります。
各査定方法はどれくらいの精度か確認しておく
言うまでもなく、「この住所の家は築何年これくらいだけどいくら?」と聞いたときに、いくら不動産会社でも実物を見ないで正確に家の価値を判断するのは不可能です。
よって、査定の精度としては訪問査定の方が高いのは間違いありません。
一方で簡易査定のメリットは、複数の不動産会社に査定依頼する手間が小さくて済むので、多くの不動産会社から査定額を見積もってもらえることです。
数が多いほど、ある程度同じ価格帯になるはずなので平均的な価格が分かります。
つまり、簡易査定の場合は立地や築年数などから平均的と思われる物件の価格になることが多く、訪問査定の場合は簡易査定の価格帯に物件の状態をプラスマイナスした、実際に売れそうな価格帯になることが多いです。
やり取りはメールだけでも出来るの?
不動産会社にとって簡易査定を無料で出来る理由は、訪問査定に繋げて最終的に売却依頼をしてもらいたいからです。
そのためには、簡易査定の依頼者に連絡を取る必要がありますが、メールだけの連絡で終わる不動産会社は少数派でしょう。
簡易査定の報告だけならばメールや郵送で済ませる不動産会社もありますし、そもそも匿名で簡易査定が可能なサービスもあります。
なので、どうしても電話連絡が嫌な場合は、申し込む時にメール連絡を希望するか、匿名の簡易査定サービスを利用しましょう。
査定を依頼する数の目安
何社に査定依頼するのかは人それぞれですが、最終的に売却依頼する1社を絞り込みたいのであれば3社くらいは訪問査定を受けておきましょう。
そうなると、訪問査定の3社を絞り込むために、簡易査定は5~6社へ査定依頼した方がいいでしょう。
対応が面倒でなければ多い分には問題なくても、少ないと偏った査定額に影響されやすいので大抵の一括査定サービスは6社を最大としています。
査定に必要な時間と書類を確認する
簡単な情報しか必要ない簡易査定では用意する物は特にありませんが、訪問査定では多くの情報を不動産会社に提出する必要があります。
それは、少しでも正確に査定をしてもらうためですが、中には事前に準備が必要な書類もあるのでよく確認しておきましょう。
用意しておく必要な情報は?
簡易査定や訪問査定に限らず、次のような情報が必要になります。
・ 氏名
・ 連絡先
・ 住所
・ 種類(戸建、マンション、賃貸アパート、土地)
・ 間取り
・ 建物面積と敷地面積(アバウトでOK)
・ 築年数
・ 現況(居住中、賃貸中、空き家)
簡易査定の場合は、これから紹介する書類は求められませんが、書類の提出を求められるケースがある訪問査定では上記の情報はその書類で代用することが出来ます。
なので、一見不要に思えますが訪問前に簡易査定を行うので確認しているようです。
また、書類では分からないような情報も査定額に影響するのであらかじめ伝えた方がいいでしょう。
不具合やリフォーム
物件の状態を正しく不動産会社に伝えないと、適正な査定額が出ないので伝えるべきです。
心理的瑕疵
物件の物理的な評価は変わらなくても、心理的瑕疵がある物件の売買価格は下がる以上、査定額も変わるので伝えるべきです。
書類からも分からないのであれば特にマイナスな情報は隠したくなると思いますが、不動産の売買では売主がそれを伝える義務があるので意図的に隠して行われた取引は契約破棄や損害賠償の対象となります。
いずれは伝えなければならないので、正確な判断のためにも査定の段階で伝えておくのがいいでしょう。
あらかじめ用意しておく必要な書類は?
簡易査定で求められることはまずありません。
しかし、訪問査定の場合は次のような書類が求められることがあります。
ただし、その多くは売却時に必要な物なので先にあればより正確に情報を査定に反映できる程度です。
書類の有無だけで決定的な違いが出ることはあまりありません。
必要に応じて依頼する不動産会社から指定されるはずです。
登記簿謄本(登記事項証明書)
土地と建物の両方必要で、法務局かインターネットで入手することができます。
これがあれば必要な情報の多くが分かるので必須ですが、所有者でなくても取得できるので代理で確認してくれる会社もあります。
公図
法務局で入手する地図のことです。
公図ではなくても、住宅地図等で代用する場合もあり不動産会社次第です。
建物の詳細書類
設計図書、間取り図など建物の詳細が分かる図面です。
建築・購入時に施工会社や不動産会社から渡されているはずです。
測量図
土地測量図や境界確認書で、査定時には不要とされる場合もあります。
ただし、売却時には必要とすることが多いため、いずれは用意する書類です。
登記済権利証または登記識別情報
いずれも法務局から交付され、物件の所有者が持っているものです。
紛失しても再発行できませんが、査定時には不要とされる場合もあります。
建築確認済証ならびに検査済証
建築行政をしている自治体から交付され、査定時はあまり必要としません。
売却時には必要ですが、紛失した場合は建築台帳記載事項証明書で代用できます。
固定資産税課税明細書または固定資産税評価証明書
地域の自治体から交付され、査定に必要とされることは少ないですが、必要とする不動産会社もあるので、一応用意しておくのが無難です。
家の掃除や片付けはやっておく
実際に売り出す段階では、掃除や片付けが不可欠になります。
しかし、訪問査定はあくまでも査定なので購入希望者が見に来るわけではありません。
そのため掃除や片付けをしても、査定額が上がるようなことは期待できないです。
ただし、査定員も人間なので新品に近いものが汚れていたら傷んでいる印象を受け、古くてもきれいに磨いていたら十分使える印象を受けます。
不動産会社の査定方法は決まっていないので、査定する人によっては綺麗であることを評価するかもしれません。
ですが、査定額は実際に売れる価格とは違うので不動産会社がどう感じるかではなく、購入希望者がどう思うかが重要です。
なので査定の前は特別な掃除や片付けを必要とせず、日常に必要な掃除程度で十分でしょう。
必要になる時間や費用
訪問査定にかかる時間は、訪問時に1時間~2時間、査定結果の報告まで1週間程度はかかると思っておきましょう。
報告までに時間がかかるのは、査定によって得られたデータを使い査定額を決める作業と役所や法務局にも確認する場合があるからです。
簡易査定の場合は早いと数時間後に連絡が来ることもありますが、それは算出の方法が複雑ではない土地だけの場合や物件に価値が付かない場合です。
事例が少ない地域や物件の価値が残っている場合はその分時間がかかります。
また、簡易査定でも自主的に登記簿を確認する会社や現況確認を行う会社もあるので、その場合は訪問査定と同様に1週間程度必要になることもあります。
査定額が決まる基準を確認する
不動産会社が出す査定額は、情報の少ない簡易査定や物件を確認している訪問査定でも鵜呑みにすることはできません。
各不動産会社で査定額が違うことは普通にあります。
同じ不動産を査定しても違う結果になるのはなぜでしょう?
査定額はある程度の相場価格が分かるので売出価格の参考になりますが、売れそうな価格だとしても売れる価格ではないという意識が大切です。
ここでは、査定額の考え方について説明していきます。
査定価格の根拠はどうやって出しているか?
不動産会社の独自査定は説明するのは難しいので、価格査定マニュアルを参考にしている訪問査定について詳しく解説しておきましょう。
難しく思えるかもしれませんが簡単に説明すると、建物はどのくらい古くなっているかの評価、土地は主に立地の客観的な評価です。
建物の場合
新築時からの劣化具体を判定して、現在の建物価格を適切に算出します。
手法としては、最初に新築時の標準単価(万円/㎡)を求めます。
その次に、部位別に建材のグレードを計算した後、経年劣化に応じて現価率(残存率)を計算します。
対象は、基礎から柱、屋根、外壁の主要構造、ドア、窓、床、壁、天井、収納など内装、キッチン、トイレ、風呂、洗面所、給湯器具、照明器具、冷暖房器具など全てになります。
リフォームなどの修繕歴があって新しくなっていれば現価率は上がり、経年劣化以上に劣化が進んでいれば現価率は下がります。
部位別の現価率を反映した単価を合計すると、建物全体の現在単価を求めることが出来ます。
さらに現在単価に延床面積を掛けると、建物の現在価格を求めることが出来ますがそれだけでは終わりません。
住宅性能(長期優良住宅など)、付加価値(省エネ住宅、太陽光発電など)、各種補正(外観、日照など)を現在価格に加えます。
そして、最終的に土地の価格と合わせて物件の流動性を加えたら査定額を求めることが出来ます。
このような査定方法なので、外装も内装もチェックが必要で図面等の確認も必要になります。
そのため、数十分~数時間かかり、正確に判断しようとすれば査定結果は後日判明することになります。
土地の場合
土地には経年劣化がないので、過去の事例と比較して土地が持っている環境等の条件加えた評点を算出して査定額を決めます。
例えば、最寄りの駅からの徒歩分数に対しての評価は10分を基準として、近ければ評点は上がり、遠ければ下がります。
他にも、近隣の状況(商業地の遠近など)、環境(騒音や展望など)、電気・水道・ガスの敷設状況、方角、道路の幅員、土地の形状(間口、不整形など)も考慮されます。
標準評価を100として増減された評点が求められることになります。
土地の場合は、立地が価値の大半を占めるのでこのような評価に基づいて査定額を決めることになりますが、類似の過去事例も参考にされます。
例えば、類似の過去事例では評点90点で売れ、査定対象の土地が評点110点であれば、110点÷90点=約1.2倍の地価×広さで売れると予想できます。
実際には取引が多い地域の評点90点の土地と取引が少ない地域の評点110点は単純に評点だけで判断できません。
そのため、最終的には流通性を考慮した補正をして、土地の査定額を算出します。
会社によって査定額に違いがある理由
複数の不動産会社で査定額にバラツキがある理由は、以下のような理由です。
・ 査定する基準が会社で違う
・ 査定する人が違う(主観が入る場合もある)
・ 不動産は同じものがないので正確には査定できない
・ 査定額で売れることを保証するものではない
・ 不動産会社は高めの査定額にして契約に結び付けたい
このように色々な要素があって、査定額はそれぞれ異なって当たり前です。
そうすると査定額の何を信じればよいのか不安になってしまいます。
そこで、査定額を次のように考えるといいでしょう。
査定額はただの目安
まず確実なのは、不動産の売出価格が査定額と同じになるとは限らないことです。
売主は査定額を信じてその価格に近い金額で売りに出してもいいですし、査定額を信じないで好きな価格で売り出してもいいです。
ただし、査定額とかなり離れた金額で売り出しても、市場相場より高すぎて売れないか、安すぎて損をしてしまいます。
そこで、目安として使うのが査定額というわけです。
もし、複数の査定額に大きな差があるときは、査定額の根拠をよく聞きましょう。
根拠を知ることで、他の不動産会社が気付かなかったプラスポイントやマイナスポイントが分かります。
そしてもう1つ大事な点は査定額がいくらだとしても、買主が現れて希望額の提示と価格交渉が行われるまで売却価格は決まらないということです。
つまり、査定額は結果として売却価格に近くなることはあっても、売却価格が査定額と同じになることは無いのです。
ましてや、売出価格は市場の反応を見ながら徐々に下げていくものなので、売り出す前も売り出した後も査定額に影響されることはありません。
そのため、ただの目安程度に考えておくと、複数の査定額で一喜一憂もなくなるはずです。
信用してよい不動産会社は?選ぶポイントは?
最終的には買主に売るとはいえ、売却が完了するまで付き合っていくのは不動産会社です。
不動産の売買は大金が動くので、信頼できる不動産会社を選ばないと後悔します。
ところが、誰かに紹介されるようなことがない限り、普通は不動産会社のことをよく知りません。
有名な不動産会社がいいとも限らないですし、高い査定額を出してくる不動産会社がいいとも限りません。
実際に担当者に会って人柄を判断するのも重要ですし、免許番号だけで営業年数の長さが分かったり行政処分の履歴も公表されたりしています。
得られる情報はすべて集めて、不動産会社を吟味してみましょう。
不動産会社を選び方についてもっと詳しく知りたい方は下記の「自分に合った不動産会社に依頼する方法」をご覧ください。
家を売却する時に査定額が高くなるポイント!
住宅を購入する時は売却することなど考えないで買う方が多いと思います。
しかし、実際には転勤や子どもの学区選択、親の介護、といった事情で購入した住宅を手放す場合もあるでしょう。
また、固定資産税や管理の負担を軽減するため、相続したけれど使う予定のない住宅を手放す方も多くいます。
一戸建て住宅はマンションに比べて間取りに余裕があるものが多く、騒音などの問題をあまり気にする必要がありません。
好みはあるかもしれませんが、ちょっとした庭があればガーデニングを楽しむこともできます。
しかし、一戸建て住宅の流動性はマンションに比べて低いといわれています。
そんな一戸建て住宅を売却しようと思ったら、どのようなポイントに気を付けるべきでしょうか?
ここからは一戸建て住宅の売却にあたって、査定で高値を付けるためのポイントを3つに絞って紹介していきます。
一戸建てとマンションで何が違うのか?
売却において、一戸建て住宅とマンションで大きな違いをもたらす要因は「原価償却年数」と「土地の所有権」です。
一般的な木造の一戸建て住宅はマンションよりも早く建物の価値が下がります。
しかし、固有の土地の所有権があるので基本的に価値がなくなることはありません。
そのため、一戸建て住宅は購入してそれほど時間を空けずに売却する場合はマンションに比べてやや不利になりますが、長期所有後の売却は有利になりやすいといえます。
減価償却年数
原価償却年数というのは、税制上の価値が0円になるまでの期間を指します。
建物は使っているうちに傷んでくるのでだんだんと価値が下がっていき、償却年数を迎えると固定資産税算定上の価値がなくなってしまいます。
もちろん「減価償却年数=実際の売買で価値がゼロになる年数」というわけではありませんがある程度連動しています。
国税庁のオフィシャルサイトでは「耐用年数」とされていますが、減価償却年数を迎えていても使用できる建物はたくさんあります。
あくまでも税金の計算をする上で定められている数字なので、厳密には「減価償却年数=耐用年数」とはいえません。
一方で、税制上土地は使っても傷まないと考えられているので、経過年数によって価値が下がることはないとされています。
減価償却年数は次の表のように、建物の構造によって異なります。
もちろん鉄筋コンクリート造(RC構造)の戸建て住宅もかも知れませんが、階数が低い戸建て住宅ではそれほど高い強度は必要ありません。
そのため、最もよく採用されている構造は木造です。
それに対してマンションは基本的に鉄筋コンクリート造です。
構造・用途 | 細目 | 耐用年数 |
---|---|---|
木造・合成樹脂造のもの | 店舗用・住宅用のもの | 22年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの | 住宅用のもの | 47年 |
国税庁 耐用年数(建物・建物附属設備)
※一部抜粋
上記表を見ると、木造と鉄筋コンクリート造で耐用年数に倍以上の差があることがわかります。
この違いによって、戸建て住宅の価値はマンションよりも早く下がってしまうわけです。
ちなみに建物の減価償却年数は用途によっても異なり、居住用の場合は年数が1.5倍で計算されます。
つまり自己居住用に使っていれば、木造の場合「33年」、鉄筋コンクリート造の場合「70年」です(1年未満の端数は切り捨て)。
減価償却年数は売却益の計算などに使う数字なので、覚えておきましょう。
土地の所有権
マンションの土地は建物全体の敷地面積のうち、床面積に応じて持分割合を出し、区分所有者の土地の持ち分を決定します。
もちろん面積当たりの価値が戸建て住宅と大きく変わるわけではありませんが、実質的にマンションの土地を一部だけ自分の意思で自由に扱うことはできません。
それに対して戸建て住宅の土地は、借地である場合を除き所有権をすべて取得することができます。
そのまま住宅に住んでも賃貸に出しても、建物を壊して新しい住宅を建てても、所有者の自由に扱うことが可能です。
築年数が経過して建物の価値がなくなった場合、土地を自由にできないマンションは不利になります。
「建替え」という選択肢がある戸建て住宅の場合、土地が持つ資産価値がなくなることは基本的にありません。
一戸建てを売却して高値が付くポイント
戸建て住宅の売却には、「仲介売却」「買取」という2つの方法があります。
仲介売却は不動産会社に広告活動を依頼して購入希望者を見つけてもらう方法で、買取は不動産会社が買主となって代金を直接売主に支払って所有権を取得する方法です。
「一刻も早く売りたい!」という方には買取がおすすめですが、一般的には仲介売却の方が売却金額は高くなると言われています。
こちらでは仲介売却で高値を付けるためのポイントをご紹介していきましょう。
ポイント1 不動産会社の査定額を比較する
意外に思われるかもしれませんが、不動産に対する査定額は会社によって大きく異なります。
知り合いの会社やテレビCMを盛んに目にするような大手企業に直接頼むのではなく、まずは不動産の一括査定などを使って複数の不動産会社から査定をとりましょう。
複数の査定額を見比べると、売りたい物件に対する大まかな相場観をつかむことができます。
ただ、相場より極端に高い金額を提示する会社は、こちらの機嫌を取っているだけで実際にその金額で売れない可能性が高いので避けたほうがいいでしょう。
逆に低い金額を提示している会社も損をしてしまう可能性が高いので避けた方がいいです。
一括査定を使えば一度の入力で複数の不動産会社に査定が依頼できるので簡単です。
しかしそれ以上に大きなメリットは、このように相場からかけ離れた金額を提示する会社をすぐに見破ることが出来ます。
サイトを使えば、他社と査定を比較しているので平均的な価格がすぐにわかります。
そのため、交渉が苦手な方にこそオススメです。
ポイント2 住宅の状態を把握しておく
売却するための物件に欠陥があると、大幅な値引き交渉を受ける要因となります。
できれば有料の住宅診断(ホームインスペクション)サービスを利用して、第三者機関による公正なチェックで住宅の状態を正確に把握しておきましょう。
たとえ一部の設備などで傷んだ箇所があったとしても、住宅の構造などの大切な部分がしっかりとしていれば購入希望者は安心して購入してくれます。
購入後に大きな補修箇所が見つかる不安がなければ、価格交渉もあまり難しくはないでしょう。
大きな瑕疵を発見した場合は、売却前に補修できるチャンスです。
知らずに売却すると大きなトラブルの原因となることもありますが、そういった問題を防ぐことが出来ます。
ポイント3 物件の状態をよく見せる
机上査定の金額には実際の物件の状態は関係しませんが、実際の査定では担当者によって物件の状態をチェックされます。
劣化状態の判断などには心象も多少影響するので、査定の際は購入希望者に見せるような気持ちで部屋の中を整えておきましょう。
また、購入希望者が物件と最初に出会う方法は、インターネット上の情報検索や不動産会社が見せる資料です。
そこに載せる写真が魅力的でなければ、購入希望者はあらわれません。
室内写真には明るく見せる撮り方や、広く見せる撮り方などのコツがあります。
不動産会社のサイトをチェックして「買いたい」と思える写真になっているか確認しましょう。
そうでない場合は変更してもらいましょう。
さらに戸建て住宅の場合は庭やカーポートなど、建物周辺の情報も重要となります。
もちろん内覧もビジュアルにこだわってください。
当日はカーテンを全室全開にし、照明もすべてつけて室内を明るく見せます。
ホコリで電球の照度が変わっていることもあるので、一度拭いておくとよいでしょう。
部屋の中は整理整頓して水周りを中心にきれいに掃除します。
水洗金具などの金属部分は、磨いて光らせると印象が良くなります。
物多いと狭く見えて売却価格に影響するので、不用なものは処分しましょう。
物の多さは広さの印象に直結するので、場合によってはトランクルームの一時的な使用を検討することも必要です。
家を少しでも高く売りたいなら、いい不動産会社と出会って高く売れるポイントを抑えることが大切です。
ポイントを抑えた上で不動産会社を探したいのであれば下記の「自分に合った不動産会社に依頼する方法」をご覧下さい。