マンション売却において重要なことの一つに、購入希望者の内覧があります。内覧した印象が、マンションを購入するか否かの決定を左右するためです。マンション売却の内覧を成功させるためのコツを、「事前の掃除」と「当日の準備」を中心にお伝えします。
マンション売却で、内覧は重要!
内覧とは、売りに出したマンションを購入希望者が見に来ることです。不動産会社によっては「内見」という言葉を使いますが、意味するところはほぼ同じです。「内覧=内見」と考えて差し支えありません。
内覧に訪れるということは、立地や間取り、金額などについては、ある程度納得しているということ。内覧で好印象を与えられるかどうかが、マンション売却成功のカギを握るといっても過言ではありません。
物件にもよりますが、買主によっては数千万円にも及ぶ大きな買い物です。内覧当日は、玄関や室内などをくまなくチェックします。
住みながらマンションを売却する際には、事前に不動産会社から内覧希望の連絡が入ります。掃除や整理が行き届いていないという理由で内覧を断ると、チャンスロスにつながります。
売り出し開始後は、いつでも内覧希望者を迎えられるような状態に準備しておきましょう。
内覧前の掃除のポイント
マンション売却の内覧を成功させるコツは「掃除」にあります。部屋全体をきれいにしておくことも大事ですが、特によく見る場所や印象を大きく左右する場所を、重点的に掃除しておきましょう。
マンション売却の内覧前に、特にきちんと掃除しておきたい場所を一つずつ解説します。
玄関
内覧前に必ず掃除しておきたいのが、最初に目に入る「玄関」です。玄関は第一印象を決める大切な場所。念入りに掃除して、すみずみまで美しくしておきましょう。
玄関に靴が散乱していたり、荷物が山積みになっていたりするのも、マイナスの印象を与えます。靴はできるだけ靴箱の中に収納して、広く見えるようにしましょう。荷物も不要なものは処分して、いるものだけを収納スペースに入れておきましょう。
玄関の靴を靴箱に収める際、乱雑に中に押し込むのはおすすめできません。なぜなら、収納力を確認するために、中には「靴箱の中を見たい」と希望する買主もいるためです。いつ靴箱を開けられても問題ないように、整理して収納しておきましょう。
さらに気をつけたいのが、靴から出るニオイです。入った途端イヤなニオイがすれば、印象を下げてしまいます。消臭スプレーを吹きかけたり、靴箱専用の消臭剤を置いたりして、靴のニオイ対策をしておくほうが安心です。
水回り(キッチン・トイレ・洗面所・浴室など)
内覧を成功させるためには、水回りの掃除も欠かせません。キッチンやトイレ、洗面所、浴室などの水回りは、汚れが溜まりやすい場所です。不快な印象を与えないように、水回りに関しては丁寧に掃除することをおすすめします。
ただし水回りは、油汚れやカビ、黄ばみなど、頑固な汚れが多い場所でもあります。ご自身で掃除すれば費用はかかりませんが、場合によっては専門のクリーニング業者に頼んだほうがいいケースもあります。費用対効果を考えて、依頼するか否かを決めましょう。
バルコニー
内覧時に意外な盲点となるのがバルコニー(ベランダ)です。内覧の際にチェックされるのは室内だけではありません。バルコニーもチェック対象であることを頭に入れておきましょう。
たとえ玄関や水回りなどの掃除が行き届いていても、外に出た途端ホコリが溜まっていたり、床面に汚れがこびりついていたりすれば、努力が水の泡になってしまいます。バルコニーは洗濯物を干す場でもあります。忘れずに掃除しておきましょう。
内覧当日のポイントは?
ここまで、内覧前の掃除について見てきました。当然ながら、内覧当日も心がけたいポイントがあります。主なものを3つ解説します。
室内を明るくする
内覧当日は、部屋を明るくしておきましょう。暗い部屋はマイナスの印象を与えかねません。すべての照明をつけ、カーテンも開けておくことをおすすめします。
特に明るさに気を配りたいのがリビングです。マンションで生活する場合、リビングで時間の大半を過ごすことになります。リビングが快適かどうかは、買主にとって購入を決める大きな判断材料といえるでしょう。
室内を快適な温度に保つ
室内を明るくするだけではなく、快適な温度に保つことも大切です。どれほど掃除が行き届いていても、極端に暑かったり寒かったりすれば、買主の印象が悪くなる可能性があります。夏や冬は、内覧の予定時間前にはエアコンをつけておき、快適な温度で迎えられるようにしましょう。
室内の空気を入れ替える
併せて意識したいのが、室内にこもっているニオイです。住んでいる本人は気にならなくても、意外と他人にとっては生活臭が気になることを、頭に入れておく必要があります。
事前に空気を入れ替えるか空気清浄機をつけるなどして、生活臭を感じない状態にしておきましょう。快適な状態で内覧してもらうことも、売却成功へとつながる要因の一つです。
ただし快適に過ごしてもらおうとして、内覧時にお茶を出す必要はありません。お茶を出された側は気を使ってしまいます。その結果、ゆっくり物件を確認できなければ本末転倒です。ケースバイケースではありますが、基本的にお茶は出さなくても良いと考えて構いません。
不動産会社のサポートも不可欠!
いざ内覧を受け入れるとなれば、いろいろ細かい点で気になることも出てくることでしょう。また、売り出しを開始しても内覧件数がなかなか増えなかったり、そもそも内覧希望者が来なかったりする場合もあります。
誠実な不動産会社であれば、営業マンが相談に応じてくれます。アドバイスを受けながら、スムーズな内覧が行えるように工夫しましょう。
それでも内覧件数が一向に増えない場合は、売り出し価格が相場より割高である可能性もあります。必要に応じて、価格の値下げを検討することも大切です。
まとめ
マンション売却における内覧は、売却成功への大きな足がかりとなります。売り出しを開始したら、玄関や水回りなどの掃除を心がけて、いつでも内覧ができる状態にしておくことをおすすめします。
内覧当日に関しては、ゆっくりと見てもらえる環境を整えることが大切です。室内を明るくしたりエアコンをつけたりして、快適な状態で迎え入れましょう。
売主にとって、内覧は初めての経験です。分からないことは不動産会社の営業マンにも相談しながら、売却成功を目指しましょう。