住宅ローンが残っているマンションは売却できる?

投稿日:2018年8月7日 更新日:

住宅ローンの返済は長期に渡るため、返済途中で売却を検討するケースもあります。住宅ローン返済中のマンションでも、売却できるのでしょうか?

「売却額>住宅ローン残債」「売却額<住宅ローン残債」の2つのパターンに分けて、それぞれ解説します。

マンション売却には、「住宅ローンの一括返済」が条件!

結論から言えば、住宅ローン返済中でもマンションを売ることはできます。

ただし売却するには、必ず満たさなくてはならない条件があります。それは「マンションの売却完了時に、住宅ローンを一括で返済しなければならない」ということです。

個人が住宅ローンを借りる際には、次の三者が関係しています。

  • 借り手である個人
  • 貸し手である金融機関
  • 審査や保証を行う保証会社

金融機関にとって、個人に多額のお金を貸し、長期間かけて返済してもらうのは、大きなリスクを伴うことです。そこで住宅ローンを個人に貸す際には、金融機関はリスク回避のために保証会社を利用します。

借り手である個人は保証会社に手数料を支払い、保証会社がしかるべき審査や保証を行います。審査に通ると借り手は住宅ローンを借りることができますが、住宅ローンが残っている間は、マンションに抵当権がついた状態となります。

言い換えれば、住宅ローンの返済が滞った場合、住宅ローン返済の保証を行っている保証会社が、いつでもマンションを差し押さえることができます。そのためマンションを売るには、住宅ローンをすべて返済することが前提条件になるというわけです。

手持ちの資金を使って返済できれば理想ですが、多くの場合において、マンション売却によって得た代金を使って住宅ローンを返済します。その際、売却額によって次の2つのケースが考えられます。

  1. 売却額が住宅ローン残債を上回る(売却額 > 住宅ローン残債)
  2. 売却額が住宅ローン残債を下回る(売却額 < 住宅ローン残債)

それぞれのケースにおいて、マンション売却時に行う手続きや、知っておきたい対策が異なります。続いての項でそれぞれ見てみましょう。

売却額が住宅ローン残債を上回るケース(売却額 > 残債)

まずは、売却額が住宅ローン残債を上回るケースを見てみましょう。

この場合、マンションを売却するにあたって資金を準備する必要はありません。売却代金から住宅ローン残債を一括返済しましょう。

さらに残金があるなら、住み替える家の頭金にできますし、マンション売却に必要な諸経費にあてることもできます。

マンション売却代金から住宅ローンを一括返済する際に、行うべき手続きや知っておきたいポイントを見てみましょう。

一括返済の手続きを行う

住宅ローンの返済途中で、残債を一括返済することを「全額繰上返済」といいます。全額繰上返済を行う際には、住宅ローン残債と必要な利息を加えて支払います。

利息がどれだけ加算されるかは、金融機関によっても、利用している住宅ローンの金利タイプなどによっても異なります。手続き方法に関しても金融機関によって異なりますので、ホームページを確認するか、問い合わせてみましょう。

また、全額繰上返済の場合、金融機関が定めた手数料が発生します。この手数料を「繰上返済手数料」といい、金融機関や申し込み方法ごとに金額が異なります。詳しくは別記事(「マンション売却にかかる費用のすべて」)でご確認ください。

マンション売却にかかる費用のすべて

必ず抵当権抹消手続きを行う

住宅ローン一括返済を行った後、必ず行わなくてはいけないのが「抵当権抹消」のための手続きです。

抵当権とは、万が一住宅ローンの返済が滞ったときに、保証会社がマンションを差し押さえて競売にかけ、売却できる権利のことです。住宅ローンを全額返済しても、自動的に抵当権が抹消されるわけではありません。

抵当権を抹消するには、しかるべき手続きが必要であることを頭に入れておきましょう。

ただし基本的には、住宅ローン全額繰上返済の際に、金融機関から抵当権抹消手続きに必要な書類一式が送られてきます。内容を確認して、しかるべき手続きを進めましょう。

抵当権抹消手続きは、売主自身が行うこともできます。ただし、書類を準備して法務局で手続きをするため、時間と労力、専門的な知識も必要です。スムーズに手続きを進めるためには、登記の専門家である司法書士にお願いするのが一般的です。

抵当権抹消に際して必要な費用は、別記事(「マンション売却にかかる費用のすべて」)で解説していますので、ご覧ください。

マンション売却にかかる費用のすべて

3. 返済以外にも、現金が必要になる

住宅ローンが残っているマンションを売却する場合、売却額が住宅ローン残債を超えていれば全額繰上返済ができるため、ひとまずは安心です。ただしマンション売却の際には、他にも現金が必要であることを頭に入れておきましょう。

マンション売却に関して必要な主な費用は、次の通りです。

  • リフォーム費用
  • ハウスクリーニング費用
  • 仲介手数料
  • 追加の広告費
  • 登記費用(必要に応じて、司法書士への依頼費用)
  • 繰上返済手数料
  • 水道光熱費
  • 各種税金
  • 新居への引っ越し費用

ここに挙げた費用すべてが必要になるわけではありません。ケースバイケースで不要な項目もあります。

ただし、急な出費に慌てなくていいよう、可能性があることは知っておいたほうがよいでしょう。詳しくは別記事(「マンション売却にかかる費用のすべて」)で解説していますので、ご覧ください。

マンション売却にかかる費用のすべて

売却額が住宅ローン残債を下回るケース(売却額 < 残債)

ここまで「売却額が住宅ローン残債を上回るケース」の手続きやポイントを見てきました。続いて、「売却額が住宅ローン残債を下回るケース」を見てみましょう。

売却額が住宅ローンを下回る場合、足りない分を自分で準備する必要があります。

預貯金で不足分をまかなえるなら問題ありません。マンションの売却代金に、必要分の金額を足して一括返済を行いましょう。手続きに関しては、上の「売却額が住宅ローン残債を上回るケース」で解説した通りです。

ただし、預貯金だけでは不足分を補えないこともあるでしょう。その際の対処法として知っておきたいのが、大きく分けて次の3つです。

  • 買い替えローン
  • 任意売却
  • 債務整理(任意整理・個人再生・自己破産など)

それぞれについて見てみましょう。

1. 買い替えローン

「買い替えローン」とはその名の通り、家を買い替えるときに使えるローンのことです。

買い替えローンでは、マンション売却時に返済しきれない残債を、次に買う家の住宅ローンに上乗せする形で、新しいローンを組みます。金融機関によっては、「住み替えローン」という名称の場合もあります。

(参考)みずほ銀行ホームページ:みずほ買い替えローンのご案内
(参考)三井住友銀行ホームページ:住み替えローン

現在住んでいるマンションを売却して、一戸建てや別のマンションなど新しい家を購入する場合、買い替えローンを利用することができます。マンションを売却した後、親名義の家に同居するなどの場合は、買い替えローンを利用することはできません。

もし買い替えを前提にしてマンションを売却しようとしていて、「売却額 > 住宅ローン残債」の場合、買い替えローンは有力な選択肢といえます。ただし注意したいのが、その先の返済のことです。

買い替えローンを利用するということは、「売却するマンションの住宅ローン残債+次に買う家のために借りる住宅ローン」を合わせた金額で、住宅ローンを組み直すということです。返済の負担が増えることは、頭に入れておく必要があります。

また、買い替えローンは必ず借りられるものでもありません。たとえば「現在のマンション購入から4年以上経過している」「融資限度額は、新しく購入する家の担保評価の150%以内」など、金融機関によって必要な条件が定められています。

まずは借り入れを行っている金融機関のホームページで概要を確認した上で、必要に応じて電話や窓口で問い合わせてみるとよいでしょう。

2. 任意売却

続いて、任意売却について見てみましょう。

任意売却は、住宅ローンが残った状態でもマンション売却が可能になる手段です。ただし任意売却を行うと、結果的に個人信用情報(ブラックリスト)に登録されることになります。

ブラックリストに載ると、一定期間は新たなローンを組むことは困難になりますし、クレジットカードの審査も通りにくくなります。

任意売却を検討するのは、「借りたローンはきちんと返したいが、経済的に支払いが苦しい場合」や、「離婚などの事情で、財産の処分がどうしても必要な場合」などに限ったほうがよいでしょう。

なお任意売却とは、債務者(住宅ローンの借主)と債権者(金融機関)が合意した上で、債務者と債権者、そしてマンションの買主の三者が納得できる価格で売却を成立させる仕組みです。

任意売却の場合は、住宅ローン残債がある状態でも、マンションを売却することができます。ただし、住宅ローンが帳消しになるわけではありません。売却代金を住宅ローン返済にあてた上で、さらに残った金額に関しては、毎月少しずつ返済することになります。

詳しい内容やポイントについては、別記事(「住宅ローンが払えない!?対処方法を徹底解説」)で紹介していますので、ご覧ください。

住宅ローンが払えない!?対処方法を徹底解説

3. 債務整理(任意整理・個人再生・自己破産など)

住宅ローンが払えない場合の対処法として、任意売却を紹介しました。任意売却しても多くの場合において住宅ローンが残り、引き続き返済します。返済の継続がむずかしいときは、債務整理を行います。

債務整理には大きく分けて、任意整理と個人再生、自己破産の3種類があります。

それぞれの内容や手続きについては、別記事(「住宅ローンが払えない!?対処方法を徹底解説」)で詳しく解説しています。任意売却後の住宅ローン残債に不安を感じている方は、次の記事をご覧ください。

住宅ローンが払えない!?対処方法を徹底解説

まとめ

住宅ローンが残っているマンションも売却できます。ただし売却に際しては、住宅ローンの一括返済が前提条件であることを、まずは覚えておきましょう。

売却額が住宅ローン残債を上回る場合は、マンションの売却代金を返済にあてることになります。全額繰上返済をした上で、抵当権抹消手続きも忘れずに行いましょう。

マンション売却においては、不動産会社への仲介手数料支払いをはじめ、現金が必要になる場面があります。売却代金の中から住宅ローンを返済してもまだ余る場合は、そうした支払いにあてることができます。

一方、売却額が住宅ローンを下回る場合は、預貯金などから不足分を補います。

手持ちの資金では不足分をまかなえない場合は、買い替えローンや任意売却などの対策もあります。任意売却を行っても多額の住宅ローンが残り、返済継続が難しい場合は、債務整理を検討することになります。

住宅ローンが残った状態でマンション売却を考える場合は、まずは現状の住宅ローン残債とマンションの査定額を調べましょう。その上で、どのケースに相当するのかを検討することをおすすめします。





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