マンション売却にかかる税金のすべて

投稿日:2018年8月7日 更新日:

マンションを売るなら、あらかじめ知っておきたいのが税金のことです。マンション売却で利益が出たら、確定申告を行って、所得税をはじめとした税金を納める必要があります。

マンション売却にかかる税金と計算方法を、一通り把握しておきましょう。

マンション売却にかかる税金一覧

マンション売却に関連して知っておきたい主な税金は、次の通りです。

  • 印紙税
  • 固定資産税
  • 登録免許税
  • 所得税
  • 復興特別所得税
  • 住民税

ここに挙げた税金は、必ずしも納税義務が生じるわけではありません。

たとえば、別記事(「マンション売却にかかる費用のすべて」)で説明した住所変更登記や抵当権抹消登記を行わなければ、登録免許税を納める必要はありません。

マンション売却にかかる費用のすべて

また、売却によって利益が出ないなら、所得税や復興特別所得税、住民税の納税義務も生じません。

スムーズに売却活動を進めるためにも、どのような税金を納めることになりそうなのか、事前に把握しておきましょう。あわせて、どれぐらいの金額になるのか見込みも知っておくと安心です。

続いて、それぞれの税金の特徴と計算方法を解説します。

必ず納める税金

まずは、マンション売却に際して、必ず納めるべき税金について説明します。

 印紙税

マンションを売却する際、必ず納める税金が「印紙税」です。

印紙税とは、契約書や領収書など、「契約や取引などのために作られた文書」に対して課される税金です。印紙税が課せられる対象は「印紙税法」という法律によって決められています。

マンション売却時に作成する「不動産売買契約書」は、印紙税法において課税の対象に指定されています。マンションを売却して不動産売買契約書を作る際には、所定の印紙税を納めましょう。

印紙税の納税義務者は、文書作成者です。作成者が複数いる場合は、全員が納税義務を負う決まりです。不動産売買契約書の場合、売主と買主が文書作成者にあたるため、双方が 納税を行う決まりになっています。

印紙税の金額は一律ではありません。マンションがいくらで売れたかによって金額が異なり、原則200円から60万円です。

印紙税額を決める基準となるのが、文書に記載された金額です。不動産売買契約書の場合は、契約書に書かれた売買金額が基準となります。

契約金額ごとの印紙税額は、次の通りです。

記載された契約金額税額
1万円未満非課税
1万円以上10万円以下200円
10万円超50万円以下400円
50万円超100万円以下1,000円
100万円超500万円以下2,000円
500万円超1,000万円以下1万円
1,000万円超5,000万円以下2万円
5,000万円超1億円以下6万円
1億円超5億円以下10万円
5億円超10億円以下20万円
10億円超50億円以下40万円
50億円超60万円
契約金額の記載なし200円

たとえば、マンションが3千万円で売れた場合は、印紙税額は2万円です。7千万円で売れた場合は、印紙税として6万円を納めることになります。あらかじめ見込みの印紙税額を調べておき、予算として組み込んでおくことをおすすめします。

なお印紙税の納付方法は、印紙を貼り付けて納税するのが原則です。印紙税額に相当する金額の印紙を購入し、不動産売買契約書に貼り付けて税務署に納付します。

(参考)国税庁ホームページ:「不動産の譲渡・消費貸借等に関する契約書
(参考)国税庁ホームページ:「印紙税の納付方法

 固定資産税

次に、頭に入れておきたいのが「固定資産税」です。

固定資産税は、マンション売却にあたって新たに発生するものではなく、土地や建物を持っている人であれば、毎年課される税金です。マンションを所有していたら、これまでも納税通知書に記載された金額の固定資産税を納めています。

マンションを売却する場合は、売却時点までの固定資産税を負担する必要があります。

固定資産税は、1月1日時点における所有者が納税義務者となり、その年の4月から4期に分けて1年間の固定資産税を払うというサイクルになっています。

ポイントになるのが、1月1日時点における所有者が納税義務者であるという点です。システム上、仮にマンション売却によって年度の途中で所有者が変わったとしても、1月1日現在の所有者(売主)が納税義務者とみなされるのです。

当然ながら、実際にマンションに住んでいた期間分の固定資産税は、売主が納める必要があります。ただし売買契約を終えた後の期間に関しては、次の所有者である買主が納めるべきものです。

そのため不動産売買の慣習として、契約日までの期間とそれ以降の期間で固定資産税の日割り計算を行って、納めすぎている分を買主から受け取ることになっています。

固定資産税の納税通知書が届くのは、市町村によってやや異なりますが、おおむね5月頃です。それ以前に売却した場合は、該当期間分の固定資産税の支払いが後から必要になることは、頭に入れておきましょう。

必要に応じて納める税金

次に、必要に応じて納めることになる税金を見てみましょう。

登録免許税

登録免許税とは、登記をする際にかかる税金です。住所変更登記抵当権抹消登記を行った場合は、登録免許税を納めます。具体的な金額については別記事(「マンション売却にかかる費用のすべて」)にまとめましたので、参考にしてください。

マンション売却にかかる費用のすべて

納税義務者はいずれの場合も、登記を申請する人です。登記の手続き自体は司法書士に代行してもらうことが多いため、依頼費用と必要経費を併せた金額を司法書士に支払って、納税してもらうことになります。

登録免許税の納付方法は、原則として現金です。登録免許税を税務所などに納めて、その領収証書を登記申請書に貼り付けます。ただし税額が3万円以下の場合は、印紙納付が可能です。

(参考)法務局ホームページ:「登録免許税の計算

所得税

マンションを売却して利益が出た場合は、所得税と、続いて説明する復興特別所得税と住民税を納めることになります。

マンション売却時に利益が出るというのは、「購入時よりも高く売れる」ということです。ただし逆の言い方をすれば、マンションを売っても利益が出ない場合は、所得税や復興特別所得税、住民税を納める必要はありません。

所得税というと、「毎月の給料から差し引かれる税金」というイメージをお持ちかもしれません。実は所得には、サラリーマンなどの給料にあたる「給与所得」の他、株式の配当などによって生じる「配当所得」、退職手当に代表される「退職所得」など、10種類があり、さまざまなケースで所得税がかかります。

マンションを売却して利益が出ると、所得の一つである「譲渡所得」が生じます。そのため譲渡所得に対して、一定の所得税が課されることになります。

譲渡所得とは、土地や建物などの資産を譲渡することによって生じる所得です。

たとえば、3,000万円で購入したマンションを3,500万円で売却すると、簡単にいえば、差額の500万円が利益となります。この500万円が譲渡所得となり、この部分に対して所得税が課されるのです。(厳密には、500万円の利益から、譲渡に要した諸費用を差し引いた金額が譲渡所得になります。)

なお譲渡所得は、売却するマンションをどれだけの期間保有していたかによって、次の2つに分けられます。

  • 長期譲渡所得・・・譲渡した年の1月1日における所有期間が5年超
  • 短期譲渡所得・・・譲渡した年の1月1日における所有期間が5年以下

それぞれの所得税の計算方法は次の通りです。

種類所得税額
長期譲渡所得課税譲渡所得金額 × 15%
短期譲渡所得課税譲渡所得金額 × 30%

課税譲渡所得金額 = 譲渡価額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除

(参考)国税庁ホームページ:「長期譲渡所得の税額の計算
(参考)国税庁ホームページ:「短期譲渡所得の税額の計算

なお、計算式にある「譲渡価額」「取得費」「譲渡費用」「特別控除」は、次の内容を指しています。所有期間が10年を超える場合に税率がさらに低くなる「軽減税率」とあわせて説明します。

譲渡価額

譲渡価額とは、土地や建物の売却金額のことです。マンション売却においては、不動産売買契約書に書かれた金額が譲渡価額となります。

取得費

取得費とは、マンションの取得に要した費用のこと。主な取得費には次のようなものがあります。

  • 購入代金または建築代金
  • 購入手数料
  • 設備費
  • 購入後の改良費 など

ただし建物の取得費は、購入代金または建築代金などの合計額から、減価償却費に相当する額を差し引いた金額となります。

(参考)国税庁ホームページ:「取得費となるもの

譲渡費用

譲渡費用とは、土地や建物を売るために直接かかった費用のことを指します。マンション売却に関わる主な譲渡費用は次の通りです。

  • 土地や建物を売るために支払った仲介手数料
  • 印紙税
  • 貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料

譲渡費用か否かを見極めるポイントは、売るために「直接」かかったかどうかという点です。そのため修繕費や固定資産税などは譲渡費用には含まれません。

(参考)国税庁ホームページ:「譲渡費用となるもの

特別控除

譲渡所得にかかわる所得税に関しては、特別控除が設定されています。特別控除とは、マンションを売却した譲渡所得から、さらにマイナスできる要素と捉えるといいでしょう。

マンション売却に関係があるのは、「マイホーム(居住用財産)を売った場合の3,000万円の特別控除の特例」です。一定の条件を満たすと、譲渡所得から最高3,000万円まで控除することができます。

ただし特例を受けるには、定められた条件を満たした上で、確定申告を行うことが前提となります。

特例を受けるための条件は、「売った年の前年及び前々年にこの特例の適用を受けていないこと」などさまざまです。まずは条件を満たしているかどうかを確認してみましょう。

(参考)国税庁ホームページ:「譲渡所得の特別控除の種類
(参考)国税庁ホームページ:「マイホームを売ったときの特例

さて、計算式に出てくる語句の説明が終わったところで、話を所得税の計算に戻しましょう。

たとえば、取得費や譲渡費用、特別控除などを考慮して、課税譲渡所得金額が800万円となった場合、所得税の金額は次の通りです。

例)課税譲渡所得金額が800万円の場合

種類所得税額
保有期間5年超の
長期譲渡所得
800万円 × 15% = 120万円
保有期間5年以下の
短期譲渡所得
800万円 × 30% = 240万円

この通り、マンションの売却期間が5年以下の場合は、5年超と比べて倍の金額になります。あらかじめどの程度の所得税及び復興特別所得税が必要になるのか、シミュレーションしておきましょう。

軽減税率

長期譲渡所得の税率は原則として15%ですが、一定の条件を満たすと「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」を受けることができます。軽減税率は次の表の通りです。

課税長期譲渡所得金額(=A)税額
6,000万円以下A × 10%
6,000万円超(A - 6,000万円)×15% + 600万円

ただし、特例を受けるには、「売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること」という項目をはじめ、5つの要件すべてを満たしていることが前提で、確定申告も必要です。まずは特例を満たすための要件を満たしているかどうかを確認してみましょう。

(参考)国税庁ホームページ:「マイホームを売ったときの軽減税率の特例

復興特別所得税

復興特別所得税とは、東日本大震災復興のための施策を実施するため、期間限定で設けられた税金です。

所得税を納める場合、平成49年までは復興特別所得税の納付も必要です。マンション売却によって利益が出た場合は、所得税に加えて復興特別所得税も納める必要があります。復興特別所得税の金額は、次の通り計算します。

復興特別所得税額 = 所得税額 × 2.1%

先ほどの例を使って、復興特別所得税の金額を計算してみましょう。

例)課税譲渡所得金額が800万円の場合

種類復興特別所得税額
保有期間5年超の
長期譲渡所得
800万円 × 15% = 120万円(所得税額)
120万円 × 2.1% = 25,200円
保有期間5年以下の
短期譲渡所得
800万円 × 30% = 240万円(所得税額)
240万円 × 2.1% = 50,400円

復興特別所得税は、所得税と併せて申告して納付することを頭に入れておきましょう。

住民税

住民税は、所得税や復興特別所得税と同じく、マンション売却によって利益が出た場合のみ納める税金です。税率についても所得税と同じく、マンションを保有していた期間が5年超か5年以下かによって異なります。

それぞれの住民税の計算方法は次の通りです。

種類住民税額
長期譲渡所得課税譲渡所得金額 × 5%
短期譲渡所得課税譲渡所得金額 × 9%

課税譲渡所得金額 = 譲渡価額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除

先ほどの例を使って、住民税の金額を計算してみましょう。

例)課税譲渡所得金額が800万円の場合

種類住民税額
保有期間5年超の
長期譲渡所得
800万円 × 5% = 40万円
保有期間5年以下の
短期譲渡所得
800万円 × 9% = 72万円

見てきたように、マンションを売る際には、さまざまな納税義務が発生します。マンション売却によって利益が出れば、所得税と復興特別所得税、住民税がセットで必要になることを頭に入れておきましょう。

まとめ

マンション売却によって利益が出るか出ないかによって、納めるべき税金の種類が変わります。まずはご自身に関係ある税金がどれなのかを見極めましょう。

当然ながら、納めるべき税金が売却金額を超えることはありません。ただし売却金額によっては、まとまった税額になります。所得税と復興特別所得税を納めるのは翌年の確定申告時ですし、住民税の納付書が届くのは翌年5月頃です。後から納税することになるのを覚えておきましょう。

心づもりしておかなければ、想定外の出費に慌てかねません。トータルでどれぐらいの金額になるのか、あらかじめシミュレーションしておくことをおすすめします。





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