マンションを売却するにあたり、口コミを参考に不動産会社を選ぼうとする方も多いでしょう。ただし、口コミの中には、誤った情報やウソの情報もまぎれている可能性があります。
今回は、マンション売却で口コミを活用するなら、ぜひ知っておきたい注意点をお伝えします。
マンション売却は、すべて条件が違う!
マンションを売るなら、少しでも高値で売れることが理想です。売却価格は、どの不動産会社を選ぶかによってある程度決まります。納得のいくマンション売却にするためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが欠かせません。
不動産会社を選ぶのに、口コミで評判のいい会社を選ぶというのも一つの方法です。ただし、マンション売却において、口コミの活用はあまりおすすめしません。なぜなら、売りたいマンションの条件はそれぞれ違うからです。
当然ながら、マンションごとに立地や間取り、築年数が異なります。方向や日当たりも違います。条件が違えば売却過程も異なってくるため、口コミの内容がご自身のケースにそのまま当てはまるわけではないのです。
口コミを活用するうえで、「条件が違う」という大前提を、まずは頭に入れておかなければなりません。
口コミの情報源「インターネット」「知人・友人」
マンション売却の口コミは、主に2つの情報源があります。一つはインターネット、もう一つは知人や友人です。
それぞれの口コミを活用するにあたって、知っておきたい注意点をお伝えします。
インターネット上の情報はうのみにしない
まずは、インターネット上の口コミを活用する場合について。
インターネット上の口コミを活用するなら、絶対に注意すべきが情報をうのみにしないという点です。
インターネット上の情報は簡単に手に入るため、マンション売却に関する口コミを探すのに便利です。ただし、インターネットは「なりすまし」が可能な世界です。次のような可能性も決してゼロではありません。
- 否定的な口コミ・・・同業他社の評判を下げたい不動産会社によるねつ造
- 肯定的な口コミ・・・自社の評判を上げたい不動産会社による自作自演
不動産業界だけではありませんが、顧客獲得をめぐる競争がますます激しくなっています。同業同士の足の引っ張り合いで、客を装った偽の情報がまぎれていることが十分考えられるのです。
肯定的な口コミに関しても、自作自演の可能性があります。インターネット上の口コミを参考に不動産会社を選ぶ売主が多いことを利用して、販売促進の手段にしているのです。
口コミに書かれた内容の真偽を確かめるのは困難です。インターネット上の情報はうのみにしないという姿勢を保ち、発信者が誰なのかを必ず確認してください。
匿名で書き込める掲示板や運営者が不明のサイトの場合、口コミをそのまま信用してはいけません。逆に、情報発信者の身元がはっきりしていれば、信頼度は上がります。
情報発信者が誰なのかという観点で見てみると、残念ながら信頼できる口コミサイトは現時点ではほとんど見当たりません。あくまで概要を確認するだけにとどめ、参考程度にするほうが良いでしょう。
知人や友人に聞くなら、売却価格は重要視しない
次に、知人や友人の口コミを活用する場合について。
口コミの情報源としては、ネット以外に「知人や友人」もあります。運よくマンション売却を経験した知人や友人が身近にいる場合、評判を聞くことができます。
ただし、友人や知人に評判を聞くときに注意したいのが、高く売れたかどうかはあまり参考にならないという点です。
もちろん、マンション売却において、高く売れることは理想です。ただし、「知人や友人のマンションが高く売れたかどうか」はあまり重要ではありません。なぜならご自身の判断材料としては使えないからです。
冒頭の説明のとおり、マンションは、条件が違えば売却価格が大きく変わります。景気によっても左右されますし、同時期に販売されていたライバル物件の動向からも影響を受けます。
もし、立地や間取り、築年数などの条件が似ている上に、売却時期の状況も似ているなら、ご自身にとっても有効な判断材料となる可能性もありあす。ただし、数々の条件がぴったり合致するマンション売却事例が、身近に存在するのは現実的には考えられません。
マンションの売却価格は、実にさまざまな要素から影響を受けます。知人や友人に売却価格について聞いても参考にならないことを、頭に入れておきましょう。
ただし、営業マンの姿勢については聞く価値があります。
誠実に取り組んでくれたのか、マンション売却に関する知識は豊富だったかなどを尋ねましょう。人それぞれ感じ方は違うものの、生の声が聞けることは有益です。
ここまで読まれた方はお分かりだと思いますが、ネットや知人・友人から、マンション売却に関する有益な口コミを得るのは現実的に難しく、有効な方法とはいえません。
一方、口コミではありませんが、以下の記事のように不動産業界固有の問題について、数値的な裏付けがとられた情報が公開されていることもあります。こういった記事を参考にすると、最低限注意しなければいけない会社がみえてきます。
まずは営業マンと「会ってみる」こと!
気になる不動産会社があれば、営業マンと実際に会ってみることが大切です。その際、特に次の3点をチェックしましょう。
- 第一印象はいいか?(身なりや言葉づかいなど)
- マンション売却に関する知識は豊富か?
- 販売戦略が立てられるか?
それぞれについて詳しく見てみましょう。
第一印象はいいか?(服装や言葉づかいなど)
営業マンと会ってまず確認したいのが、第一印象です。身なりや言葉遣いに配慮があるか、ご自身の目でしっかり見てみましょう。
また人対人なので、どうしても合う・合わないといった相性の問題もでてきます。そういった相性を見極めることも大切です。
マンション売却に関する知識は豊富か?
続いて確認したいのが、マンション売却に関する知識の豊富さです。スムーズな売却活動を進めるなら、やはり営業マンの知識量が大きく結果に影響します。
一口に不動産会社といっても、マンション売却が得意な会社もあれば、そうでない会社もあります。営業マンと話をして、マンション売却に関して詳しいかどうかを確認しましょう。
販売戦略が立てられるか?
もう一つ確認したいのが、販売戦略を立てられるかどうかという点です。どれほど魅力ある物件でも、売りに出すだけではなかなか売れません。しかるべき販売戦略が必要です。
マンションの価値を正しく見極めて、売主にとって適切な手段を提案する力があるのかを、実際に会って判断するようにしましょう。
一社だけではなく、できれば三社ぐらいは候補に挙げて、実際に営業マンに会うことをおすすめします。比較した上で、信頼できそうな不動産会社に任せることが大切です。
まとめ
インターネット上の口コミは、無料で手軽に得ることができます。知人や友人に評判を聞くと、イメージがわくという方も多いことでしょう。
ただし、インターネット上の口コミには誤った情報もまぎれています。知人や友人のマンション売却も、まったく同じケースは存在しません。
マンション売却において、口コミや評判の良い業者を探すのはあまり有効な方法ではありません。
実際に営業マンと会って、最終的に自分の感覚で判断することが大切です。