マンション売却の際、近所に秘密で売りたい方もいることでしょう。
広告の範囲を限定したり、内覧時に気を配ったりするなど、いくつかの注意点を守ることで、近所になるべく秘密でマンションを売ることは可能です。
具体的な注意点についてお伝えします。
近所に秘密にしたいパターンとは?
マンションをなるべく早く高く売るには、広く告知して、購入希望者を募るのが基本です。ただし中には、近所に秘密でマンションを売ることを希望する人も存在します。
特に多いのが、「同じマンション内で、他に売り出した物件がない」ケースです。違う言い方をすれば、マンション内で、最初の売却物件になるケースです。
マンション内で初めての売却価格がつくと、他の部屋が売れるときの基準の一つになります。
そのため同じマンションの住人にとって、「いくらで売れるのか?」という点に関心が集まります。中には色々尋ねてくる人や、口出しする人もいることでしょう。
そうしたやりとりを面倒に思ったり、トラブルを避けたいと思ったりする場合は、近所には秘密にして売るというのも選択肢の一つです。
マンション売却を秘密にするための2つの注意点
何らかの理由でマンション売却を秘密にしたい場合、近所に知られずマンションを売ることは可能なのでしょうか?
結論を言えば、100%ではありませんが、近所に秘密でマンションを売却することは可能です。ただし、これから解説する2つの点に注意しましょう。
広告の種類や範囲を限定する
マンション売却を秘密にするには、もっとも気をつけたいのが「広告の範囲」です。近所の目につかないように、広告の種類や範囲を限定しましょう。
マンション売却において代表的な広告である「新聞折込チラシ」「ポスティング」「インターネット」について、それぞれ説明します。
新聞折込チラシ
まずは、新聞折り込みチラシについて。近所に新聞折込チラシが入れば、マンションを売ることが知られてしまいます。地域を限定することはむずかしいので、新聞折込チラシは使用しないよう、不動産会社にお願いしておきましょう。
ポスティング
次に、郵便受けに直接チラシを配布する「ポスティング」について。ポスティングの場合は、配布したいエリアを限定することができます。逆の言い方をすれば、配布したくないエリアには、ポスティングしないことも可能ということです。
ポスティングを利用する場合は、近所は配布エリアから外すように、不動産会社に伝えておきましょう。ただし、「その広告を見た人が、近所の人に教える」という可能性もゼロではないことを、頭に入れておく必要があります。
インターネット
最後に、インターネットについて。インターネットの場合、近所の住人が積極的に探さない限りは、基本的に売却情報は見つかりません。新聞折込チラシやポスティングと比べると、ある程度は利用しても安心といえるでしょう。
とはいえ、100%安心とは言えません。一般の人には閲覧できない形で広告を掲載するなら、「レインズ」(正式名称:不動産流通標準情報システム)のみに「広告不可」として掲載するほうが良いでしょう。
レインズに物件情報が掲載されていても、一般の人は見ることができません。不動産会社が物件情報を確認し、条件に合う物件を希望している購入希望者に、紹介してくれます。
ただし新聞折込チラシやポスティングを一切行わず、レインズ掲載のみに絞った場合は、知られる範囲がかなり狭くなります。売却までに時間がかかり、結果的に値下げせざるをえない可能性があることも、頭に入れておきましょう。
査定時や内覧時も周囲に気を配る
マンション売却を近所に秘密で進めるには、査定時や内覧時も注意が必要です。なぜなら不動産会社がマンションを訪問しているのを、近所の人が見かける可能性があるからです。
オートロック式になった集合玄関や部屋前のインターフォンなどで、不動産会社の名を大きな声で発すると、居合わせた人に知られるきっかけになります。
マンションを訪問するときにはインターフォン前で会社名を名乗らないよう、担当の営業マンに伝えておきましょう。
また、社名が大きく入った営業車をマンション内の駐車場に停めたり、社名入りの封筒や紙袋などを持ってマンション内を歩いていたりすると、近所の人が気づくきっかけになるかもしれません。
営業マンが車で来る際は、社名の入っていない営業車で来てもらうか、少し離れた場所に駐車してもらうよう頼んでおきましょう。社名入りの封筒や紙袋なども、バッグの中に入れて持ってきてもらうように、併せて伝えておくとスムーズです。
内覧に関しては、人の出入りが多い土日を避けたり、夜間にしたりするなど、なるべく人目の少ない時間にすることも有効です。
まとめ
なるべく近所に知られずにマンションを売却することは可能です。ただし物件情報を限定して公開すれば、購入希望者がなかなか現れない可能性があります。
売れるまでに時間がかかるかもしれず、値下げのリスクもある点は、頭に入れておいたほうが良いでしょう。
とはいえ、何らかの理由があり秘密で売りたい場合もあることでしょう。
近所に秘密でマンションを売るには、不動産会社の協力が必要不可欠です。不動産会社を選ぶ際には、希望を真摯に受け止め、誠実な対応をしてくれる会社を選ぶようにしましょう。