マンション売却において、効果的な広告活動を行うことが、早期売却につながります。
不動産会社が行う広告活動には、どのようなものがあるのでしょうか?
スムーズな売却活動のためにも、一通り把握しておきましょう。この記事では、マンション売却における広告活動について、主な内容を詳しく解説します。
不動産会社が行う主な広告活動
売主からマンション売却の依頼を受けた不動産会社は、さまざまな広告活動を展開します。なるべく早く高く売るには、幅広く広告活動を行って、一人でも多くの購入希望者に情報を届けることが欠かせません。
不動産会社が行う主な広告活動には、大きく分けて次の4つがあります。
- 自社のお客さまに紹介する
- レインズに登録する
- チラシを配布する
- インターネット広告を出す
それぞれについて詳しく見てみましょう。
自社のお客さまに紹介する
まず、「自社のお客さまに紹介する」という広告活動について。具体的には、主に次のような活動が挙げられます。
- 自社の顧客にDM(ダイレクトメール)を発送する
- 店頭に物件情報を掲示する
- 来店したお客さまに物件情報を案内する
このように、不動産会社が既につながりを持っている顧客や、来店したお客さまに対して展開する広告活動は、重要な活動です。
ただし中には、近所に秘密でマンションを売りたいと考える人もいることでしょう。不動産会社の店頭に物件情報を掲示していると、近所の住人が気づくきっかけになりかねません。
もし何らかの理由があって、マンションを売ることを近所に知られたくないなら、早い段階で営業マンに伝えておくようにしましょう。
レインズに登録する
次に、「レインズに登録する」という活動について。
「レインズ(正式名称:不動産流通標準情報システム)」は、いわば不動産業者間の情報ネットワークシステムです。レインズに物件情報を登録すると、不動産業者の間で情報が共有されます。
つまり、数多くの不動産業社が物件情報を目にすることになり、売却のチャンスが増えるというわけです。
ただし、不動産会社が必ずしも、物件情報をレインズに登録するとは限りません。なぜなら契約形態によって、レインズへの登録義務の有無が異なるからです。
- 専属専任媒介契約・・・レインズ登録は義務
- 専任媒介契約・・・レインズ登録は義務
- 一般媒介契約・・・レインズ登録は義務ではない
このように、一般媒介契約を結んだ場合、不動産会社にレインズ登録の義務はないことを、頭に入れておきましょう。
一般媒介契約とは、複数の不動産会社に売却を依頼できる契約形態のことです。中には、自発的にレインズに登録してくれる不動産会社もあるでしょう。ただし、義務ではないからと、登録しない不動産会社が多いのも事実です。
営業マンとの打ち合わせの中で、できればレインズに登録してほしい旨を伝えておくと良いでしょう。
なお、レインズの仕組みや使うメリットなどの詳細については、別記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。
チラシを配布する(新聞折込やポスティングなど)
次に、「チラシを配布する」という広告活動について。具体的には、主に次のような方法が挙げられます。
- 新聞折込チラシ
- ポスティング
それぞれについて見てみましょう。
新聞折込チラシ
新聞折込チラシは、昔から行われている広告活動です。新聞を購読している層に届くという意味では、物件情報を広く知ってもらうためのきっかけになります。
ただし広い範囲に届くということは、「まったく興味のない相手」にまで、物件情報が届いてしまうということでもあります。新聞折込チラシを配布すると「近所に売却活動を知られるきっかけにもなる」ということです。
近所に秘密でマンションを売りたい場合は、新聞折込チラシは活用しないほうが無難です。営業マンに早い段階で伝えておきましょう。
ポスティング
ポスティングの大きな特徴は、新聞を購読している層以外にも物件情報を届けることができるという点です。
また、新聞折込チラシと異なって、「配布しないエリア」を細かく指摘できることもポスティングの特徴です。近所に秘密でマンション売却を進めたい方も、ポスティングなら比較的安心でしょう。
とはいえ、ポスティングされたチラシを見た人が、近所の住民に情報を知らせる可能性もゼロではありません。不動産会社の営業マンと相談した上で、どのように活用するかを決めるといいでしょう。
インターネット広告を出す
マンション売却の広告活動には、「インターネット広告を出す」という方法もあります。具体的には、ポータルサイトや不動産会社の自社サイトなどの媒体に、物件情報を掲載します。
インターネット広告には、次のように、インターネットならではのメリットも色々あります。
- 全国に情報が発信でき、しかも低コスト
- 熱心な見込み客に見てもらえる可能性が高い
- 近所の人からたまたま見つかることが少ない
それぞれ詳しく見てみましょう。
1)全国に情報が発信でき、しかも低コスト
インターネット広告を使うことで、「全国に情報が発信でき、しかも低コスト」というのは、大きなメリットといえます。というのも、物件情報を探しているのは、近隣の人だけとは限らないためです。
たとえば、大阪から東京に転勤が決まり、遠方である東京のマンションを探している人もいます。とはいえ、全国に新聞折込チラシやポスティングのエリアを広げるのは、現実的ではありません。
一方でインターネット広告の場合、手軽に全国に情報を発信することができます。しかも紙媒体と違って、エリアが広げれば広げるほど、広告費が高くなるわけでもありません。
全国に情報が発信でき、なおかつ低コストである点は、インターネット広告の大きなメリットと言えるでしょう。
2)熱心な見込み客に見てもらえる可能性が高い
インターネット広告のもう一つのメリットは、「熱心な見込み客に見てもらえる可能性が高い」という点です。
紙媒体の広告の場合、新聞を購読している層や近隣の住人に対して、チラシが届きます。いわば受け取る側は“受け身”であるということです。大多数が、物件情報に対して興味のない人たちでしょう。
一方、買主自らが積極的に情報を探し、たどり着くのがインターネット広告です。つまり、「インターネット広告を見る人=購入に対して意欲的な、熱心な見込み客」である可能性が高くなります。
3)近所の人からたまたま見つかることが少ない
次に「近所の人からたまたま見つかることが少ない」というのも、インターネット広告のメリットの一つです。
先ほど述べた通り、インターネット広告は積極的に探すことで見つかる広告です。新聞折込チラシやポスティングのように、自分から行動を起こすことなく手元に届く広告とは、そもそも性質が異なります。
つまりインターネット広告は、「近所の人から、たまたま見つかることが少ない」広告といえるのです。
もちろん100%見つからないとは限りません。ただし近所に内緒でマンション売却を進めたい場合、インターネット広告は活用したい手法の一つです。
なお、マンション売却を近所に秘密で進めたい場合の注意点は、別記事にて詳しく解説しています。該当する方は、ぜひ参考にしてください。
広告費は、原則として「不動産会社」負担
ここまで、マンション売却のための広告活動について見てきました。では、広告費は誰が負担することになるのでしょうか?
結論から言えば、マンション売却のための広告費は、原則として不動産会社が負担します。売主が広告費を負担する必要はありません。
ただし正確にいえば、成約時に仲介手数料を支払うことで、売主は広告費用を負担しています。不動産会社は、仲介手数料の中から広告費や人件費などをまかない、売却活動を展開しているのです。
ただし、売主が広告費を別途支払う場合もある
マンション売却のための広告費用は、原則として不動産会社が負担します。ただし例外もあるため、覚えておきましょう。
売れない状態が続いている場合、不動産会社から追加の広告を提案される場合があります。説明を聞いて売主が納得すれば、この場合は売主が広告費を負担します。
ただし、売主が別途広告費を支払うのは、あくまで、「事前の打ち合わせで、売主自身が納得した場合」に限られます。
何ら打ち合わせもなく不動産会社が広告を出し、仲介手数料とは別に「広告費」の名目で請求があっても、支払う必要はありません。
まとめ
マンション売却のためには、さまざまな広告活動があります。不動産会社に任せっぱなしにするのではなく、どのような戦略にもとづき、どのような広告を活用するのか、営業マンに聞いておきましょう。
広告活動を行っても効果がなく、営業マンにも誠意が感じられない場合は、不動産会社を変えるのも一つの手段です。
広告活動は、マンションの売れ行きを左右します。スムーズな売却活動を進めるためにも、広告活動の戦略がきちんと立てられる不動産会社を選びましょう。