マンションが売れない場合、値下げも視野に入れなくてはいけません。マンション売却において、値下げに適した時期やタイミングはあるのでしょうか?
この記事では、値下げについてあらかじめ知っておきたい情報を解説します。
マンション売却は、なかなか売れないことも想定内!
マンション売却では、不動産会社から提案された価格で売り出し、丁寧なサポートを受けていても、売れないということがあります。
チラシを出しても反響がなく、内覧者が増えないどころか問い合わせもなければ、何らかの打開策が必要です。
マンションがなかなか売れない場合、不動産会社から値下げを提案されることがあります。もちろん値下げが有利に働くこともありますが、一度値下げすると、上げることは困難であることを頭に入れておきましょう。
破格な売り出し価格をつけた場合は別ですが、値下げするか否かは慎重に決めることをおすすめします。安易な値下げは、くれぐれも避けるようにしましょう。
そのためにも、値下げを決める前に、売れない原因が本当に価格なのかどうか確認することをおすすめします。他に原因がある場合は、まずはその原因の対策を立てましょう。値引きをすることなく、マンションが売れる可能性もあります。
値下げ前にチェックすべきことと対策
では、値下げを決める前に、何をチェックすべきなのでしょうか?
はじめに把握すべきなのが、「どの時点でつまずいているのか?」という点です。 マンションが売れない場合、大きく分けて次の2パターンがあります。
- そもそも内覧の希望や問い合わせが少ない
- 内覧には来るが、成約しない
売れないといっても、どちらのパターンなのかによって、売れない原因が異なります。それぞれに対してのチェックポイントと対策を見てみましょう。
そもそも内覧の希望や問い合わせが少ない
まずは、「そもそも内覧の希望や問い合わせが少ない」パターンについて。
この場合、不動産会社の売却活動が熱心かどうかを確認しましょう。
マンション売却には、不動産会社のサポートが必要不可欠です。チラシの投かんやポータルサイトへの物件情報の掲載など、販売活動がきちんと行われているか確認することをおすすめします。
また、レインズ(不動産流通標準情報システム)への情報掲載が行われているかも、チェックしたいポイントです。
不動産会社との契約形態のうち、専属専任媒介と専任媒介の場合は、レインズへの登録が法律で義務づけられています。ただし一般媒介の場合、不動産会社にレインズ登録の義務はありません。
もし一般媒介で契約しており、レインズに情報を掲載していないということであれば、掲載を依頼してみるのも一つの手段です。
内覧には来るが、成約しない
次は、「内覧には来るが、成約しない」パターンについて見てみましょう。この場合、内覧に適した状態か、物件を確認することをおすすめします。
内覧に訪れるということは、立地や間取り、築年数などの条件については、納得しているということです。にも関わらず成約しない場合は、内覧でいい印象を与えられていない可能性があります。
内覧から先に進まない場合は、「掃除」と「当日の環境づくり」を見直しましょう。それぞれのポイントを解説します。
掃除
内覧でいい印象を与えるには、掃除が大きなカギを握っています。内覧前には特にキレイにしておきましょう。
とはいえ、住みながらマンションを売却する場合、すべての箇所をピカピカにするのは大変です。目につきやすい場所や印象を大きく左右する場所を、重点的に掃除しておくことをおすすめします。
特に清潔にしておきたい場所や、整理整頓しておきたい箇所は、次の通りです。
- 水回り(キッチン・トイレ・洗面所・浴室など)
- 玄関(靴箱)
- バルコニー(ベランダ)
特に水回りが汚れていると、不潔な印象を与えてしまいます。水アカやカビなどがあれば、必ず取り除いておきましょう。
当日の環境づくり
内覧を成功させるためには、当日の環境づくりも大切です。具体的には「照明・温度・換気」に気を配りましょう。
当日はすべてのカーテンを開け、照明をつけて明るくしておきましょう。薄暗い状態で見学するよりも、明るい状態で見るほうが第一印象はアップします。
夏や冬などはエアコンをつけて、気温を調整することも大切です。適温になるには時間がかかるため、内覧の時間より前にスイッチを入れておくことをおすすめします。
また、意外と盲点になるのが、部屋のにおいです。他人の家の生活臭は、意外と気になるものです。あらかじめ換気しておきましょう。
さらに詳しい内覧のポイントについては、別記事にまとめていますので、ご覧ください。
マンション値下げの目安時期は?
値下げ前にチェックすべきことと対策について紹介しました。
チェックした結果、マンションが売れない理由が「価格」であると分かった場合、値下げは有効な手段の一つです。値下げに適した時期やタイミングがあるなら、うまく活用したいものです。
マンション売却で値下げに適した時期やタイミングはあるのでしょうか?あるとしたら、一体いつなのでしょうか?それぞれ見てみましょう。
時期
まずは、値下げに適した時期について。
結論から言えば、値下げが効果的に働くといった「特定の時期」はありません。時期を意識して値下げする必要はないということです。
しばしば見かけるのが、「新年度を控えた1月~3月の値下げが効果的に働く」という情報です。
その理由として「1月から3月は新年度に合わせて、新居の購入を考える人が増え、この時期に値引きすることで、大きなインパクトを与えることができるから」といった説明がされます。
ただし、この情報は必ずしも正確ではありません。なぜなら新居の購入を検討している人は、わりと中長期的に物件を探すものだからです。
マンションは金額が金額なだけに、すぐに決断を下せる買い物ではありません。気に入る物件がなければ、たとえ4月以降になってもじっくりと物件を探します。
くれぐれも、1月から3月だからといって、慌てて値下げしないようにしましょう。
タイミング
続いて、値下げするタイミングについて。
この点も結論から言えば、値下げが効果的に働くような「特定のタイミング」はありません。タイミングを意識して、急いで無理に値下げするのは避けましょう。
よく見かけるのが、「売り出しから3か月後の値下げが望ましい」という情報です。
その理由として「専任媒介や専属専任媒介の場合、契約期間の区切りだから」といった説明がなされます。
ただしこの情報も、単に媒介契約の期間に合わせた言い方で、正しい情報ではありません。媒介契約の期間は、あくまでも業者側の都合で3ヶ月と決められているだけで、売主にとって、その期間に何か意味があるわけではありません。
では、何を基準に、どれだけ値下げすべき?
値下げが効果的に働く時期や、値下げすべきタイミングは存在しません。
あくまでもいつまでに売りたいという目標があり、いつまでに売れなければいくら値下げする、といった戦略にのっとって、値下げするようにしましょう。
では、マンション売却で値引きを実行する場合、妥当な値下げの幅とはどれぐらいなのでしょうか?
当然ながら、物件ごとに条件は変わります。ただし後悔しないためにも、あらかじめ次の3つのおおよその価格を想定しておき、値下げをすることをおすすめします。
- 希望価格・・・できればこの価格で売りたいと考える、理想の価格
- 相場価格・・・立地や広さ、周辺環境を総合的に判断した、いわゆる相場の価格
- 最低価格・・・絶対にこれ以上は下げられないという、最低ラインの価格
これら3つの価格を決めることで、過剰な値下げを避けることができます。不動産会社とも相談しながら、事前に戦略を立てておくことをおすすめします。
繰り返しになりますが、一度値下げすると、価格を上げるのは困難です。値下げが必要と判断できたときのみ、値下げを実行しましょう。
まとめ
マンションが売れない場合、値引きも選択肢の一つです。ただし安易に値引きせず、まずは価格以外に打てる手がないか検討しましょう。
価格が理由でマンションが売れていない場合は、値下げも視野に入れることになります。
値下げに適した時期やタイミングは存在しません。売却の最終期限と最低希望価格を決めた上で、戦略的に値下げするようにしましょう。