マンション売却の決済日当日の流れとポイント

投稿日:2018年8月7日 更新日:

マンション売却における最後のステップともいえるのが決済です。決済日には引き渡しも行われ、場所は「買主が住宅ローンを借りる銀行」というケースが大半です。

この記事では、決済日の流れとポイントについて解説します。

決済と引渡しは同じ日に行う

買主との間で売買契約を結んだら、しかるべき期間を経て決済・引渡しへと進みます。

マンション売却における決済とは、売買代金の残金を受け取ることです。引渡しとは、所有権を売主から買主へと移すことを指します。

決済と引渡しは同じ日に行われます。手続きが完了すればマンションは買主のものとなり、売主は基本的に室内に入れません。引っ越しや掃除などは、前日までに済ませておきましょう。

決済と引き渡しは、通常は買主が住宅ローンを借りる銀行内で行います。売主と買主、不動産会社の他、司法書士や銀行の担当者も同席します。

通常、不動産会社が司法書士を手配し、当日同席するようにセッティングします。売主自身が司法書士を探したリ依頼したりする必要はありません。

司法書士がどのようなことを行うかは、次の「決済日の大まかな流れ」の中で解説します。

決済日の大まかな流れ

マンション売却における決済日の流れは次の通りです。

  • 司法書士による登記関係書類の確認 ・残代金の決済
  • 売主の住宅ローン残債の一括返済
  • 各種負担金の清算
  • 鍵や関係書類の引き渡し
  • 諸費用の支払い

それぞれの内容とポイントについて見てみましょう。

司法書士による登記関係書類の確認

まずは司法書士が、登記申請に必要な書類を確認します。

この場合の登記とは、マンションの所有権を売主から買主へと移す「所有権移転登記」を指しています。売主が住宅ローンを借りていた場合は、抵当権を解除するための「抵当権抹消登記」も必要となります。

決済が終わるとその日のうちに、司法書士は必要な登記手続きを行います。そのため司法書士が、登記関係書類が揃っているかどうか確認しておく必要があります。

なお、所有権移転登記や抵当権抹消登記は、売主ご自身が手続きを行うことも可能です。ただし時間も手間もかかることから、専門家である司法書士に依頼するのが一般的です。

ご自身で登記を行う場合は、早めに不動産会社にその旨を伝えておきましょう。

残代金の決済

続いては、残代金の決済です。

マンションの売買代金から、既に受け取った代金を差し引いた金額を、買主から受け取ります。

多くの場合、買主は銀行の融資を利用し、住宅ローンを資金としてマンションを購入します。決済日に住宅ローンが買主の口座に振り込まれ、それから売主の口座へと残代金が振り込まれる形が一般的です。

残代金の入金が確認できたら、領収書を発行しましょう。

とはいっても、不動産会社が準備してくれます。売主自身が領収書を用意する必要はありません。

住宅ローン残債の一括返済

決済日には、住宅ローン残債の一括返済も行います。

買主から残代金が振り込まれたら、住宅ローン残債を一括返済しましょう。

返済期間中に住宅ローン残債を一括返済することを「全額繰上返済」といい、利息を上乗せして支払います。さらに、金融機関が定めた手数料も必要です。

一括返済の詳しい手続きや手数料などについては、別記事で解説しています。参考にしてください。

住宅ローンが残っているマンションは売却できる?

各種負担金の清算

残代金の決済や住宅ローン残債の一括返済手続きが終わったら、各種負担金の清算を行います。代表的な負担金は次の通りです。

  • 固定資産税及び都市計画税
  • 管理費
  • 修繕積立金

これらの負担金は、引き渡し前日までの分を売主が負担し、引き渡し日以降の分を買主が負担するのが一般的です。

ところが、支払いのタイミングが基本的に「前払い」のため、売主が既に先々の分まで支払っていることになります。そこで決済日に清算して、お互いがしかるべき負担をする形に調整します。

どちらが一体どれだけの負担をするのかは、日割り計算をします。不動産会社が当日までに計算してくれますので、売主と買主は事前に準備する必要はありません。

マンション売買代金の残代金と同様、受け取ったら領収書を発行します。この場合も、不動産会社が領収書を用意してくれるので、売主自身が準備する必要はありません。

なお、これらの費用の清算に関しては、「マンション売却時に戻ってくる費用」の一例として、別記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。

マンション売却時に戻ってくる費用のすべて

鍵や関係書類の引き渡し

支払いや清算がすべて終わったら、マンションの鍵や関係書類を買主に渡しましょう。

鍵は、売買契約書とセットになっている付帯設備表に記した本数すべてを渡します。引き渡しまでの間に紛失しないよう、一か所にまとめておくことをおすすめします。

鍵の引き渡しを行ったら、不動産会社が作成した鍵受領証にサインをしてもらいましょう。

関係書類とは、マンションの管理規約や使用細則などのことです。給湯器やガスレンジなど、付帯設備の取扱説明書や保証書などの書類も、すべて渡しましょう。

すべての引渡しが完了したら、売主と買主との間で「引渡確認票」を取り交わします。

引渡確認票とは、マンションの引渡しが完了したことを証明する書面です。「売買物件引渡確認書」や「引渡完了確認票」などの名称で呼ばれることもありますが、内容はおおむね同じです。

書面自体は不動産会社が作成します。内容を確認した上で署名・捺印しましょう。

諸費用の支払い

最後に、諸費用の支払いを行います。支払う費用は次の通りです。

  • 不動産会社への仲介手数料
  • 司法書士への報酬

仲介手数料に関しては、売買契約時に既に全額の50%を支払っている場合、残りの50%を支払います。まったく支払っていない場合は、全額支払いましょう。

司法書士への報酬は、所有権移転登記や抵当権抹消登記など、かかった費用をすべて報酬として支払います。

仲介手数料や司法書士への報酬の相場などについては、別記事でも紹介しています。詳しく知りたい方は、ご覧ください。

マンション売却にかかる費用のすべて

あらかじめスケジュール調整を!

決済日をいつにするかは、事前に不動産会社から打診があります。売主と買主、お互いに都合のつく日時を設定して、当日にのぞみましょう。

決済日を決める上で知っておきたいことがあります。それは、決済・引渡しが行われるのは、「日の午前中が一般的であるということです。

なぜなら決済・引渡しが終わった後、その日のうちに、司法書士が法務局で登記手続きを行う必要があるからです。

仕事を休んだり遅刻したりする必要がある場合は、なるべく早めから準備しておきましょう。

仕事の関係で平日午前の立会いがむずかしい場合は、代理人を立てることも可能です。ただし、委任状の作成など事前準備も必要になるため、いずれにせよ、早めに不動産会社に伝えておくことをおすすめします。

まとめ

決済・引渡し当日は、一日のうちにさまざまなことを行います。司法書士への依頼や領収書の準備などは不動産会社が行ってくれますが、全体の流れを把握しておきましょう。
決済・引渡しは、マンション売却の最後のステップです。スムーズに進むよう、別記事(マンション売却の決済日(引渡し日)までに準備すべきこと)を参考に、事前準備を早めに終わらせておくことをおすすめします。

マンション売却の決済日(引渡し日)までに準備すべきこと





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