マンション売却は、おそらくほとんどの方にとって初めての経験です。
売主として売買契約を交わすにあたって、緊張する方も多いのではないでしょうか?落ち着いて臨むためにも、あらかじめ契約当日の流れを把握しておきましょう。
この記事では、マンション売却における売買契約当日の流れとポイントを解説します。
契約場所は不動産会社の店舗やオフィス
売買契約を交わす場所は、仲介業者である不動産会社の店舗やオフィスが一般的です。
売主と買主、立会人である不動産会社の担当者を交えて、売買契約の締結を行います。当日は指定された日時に訪問しましょう。
買主への手土産は基本的に必要ありません。気になる場合は、不動産会社の営業マンに事前に相談しておきましょう。
買主は重要事項説明を受けるため、先に現地に着いています。説明が終わったら売主も加わって、売買契約の手続きを一つずつ行います。
当日は、不動産会社が取り仕切ってくれます。初めてのことだからと緊張せず、落ち着いて一つずつ進めていきましょう。
売買契約当日の大まかな流れ
重要事項説明が終わった後、売買契約の大まかな流れは次の通りです。
- 売主と買主の顔合わせと挨拶
- 売買契約書、および付帯設備表の確認と読み合わせ
- 売買契約書への署名捺印
- 手付金の授受
- 決済・引渡しに向けての打ち合わせ
- 不動産会社への仲介手数料の支払い
それぞれについてポイントをお伝えします。
売主と買主の顔合わせと挨拶
まずは、「売主と買主の顔合わせと挨拶」について。
内覧時に既に顔合わせを行っているケースもあります。ただし売買契約時には、改めて顔合わせと挨拶を行うのが一般的です。
売買契約書及び付帯設備表の確認と読み合わせ
続いて、「売買契約書、および付帯設備表の確認と読み合わせ」について。
売買契約書及び付帯設備表は、別記事(マンションの売買契約までに準備すべきこと)でも説明している通り、売買契約当日までに確認すべき書類です。
ただし事前に確認して終わりではありません。当日は不動産会社の担当者がすべて読み上げることで、全員で内容確認を行います。もし気になる点があれば、必ず確認しましょう。
売買契約を取り交わした後は、変更は違約金をはじめとしたペナルティの対象となることがあります。
後々のトラブルを未然に防ぐためにも、遠慮せず気になることは質問することをおすすめします。
売買契約書への署名捺印
次に、「売買契約書への記名捺印」について。
売買契約書及び付帯設備表の読み上げが終わり、売主と買主双方の内容確認が終われば、いよいよ売買契約書に署名捺印します。
この際、複数箇所への署名捺印が必要になります。急ぐ必要はありません。一つずつ最終確認しながら、署名捺印を行いましょう。
手付金の授受
続いて、「手付金の授受」について。
売買契約書への署名捺印が終わったら、手付金の授受が行われます。金額は売買契約書に書かれている通りで、銀行振込での授受が一般的です。
別記事(マンション売買契約における「手付」と「手付解除」とは?)でも解説している通り、手付金の相場は物件価格の10%前後です。物件価格にもよりますが、数百万円を受け取ることになります。
銀行振込ではなく現金で手付金を受け取る場合、100万円単位のお金は帯封がかかった札束になっていることが多いため、数える必要はないと考える方も多いことでしょう。
ただし後々のトラブルを防ぐためにも、帯封を外して一枚ずつ数えることをおすすめします。
新札の場合は特に数えにくいため、「時間もかかるから」と買主に遠慮してしまいがちです。とはいえ、大事な売買代金ですから、時間をかけて丁寧に確認しましょう。
手付金を受け取ったら、買主に領収書を渡します。基本的には不動産会社が用意してくれるため、売主は必要事項を記入するだけで構いません。
決済・引渡しに向けての打ち合わせ
次に、「決済・引渡しに向けての打ち合わせ」について。
売買契約を締結すると、後日決済を行って、マンションを売主から買主に引渡します。手付金の授受が終わったら、決済・引渡しについても簡単に打ち合わせをしておきましょう。
買主の住宅ローンの審査が終わっていない場合、状況について尋ねておくことをおすすめします。
別記事(マンションの売買契約書で確認すべき7つのポイント)で説明している通り、 売買契約書に融資特約(ローン特約)が盛り込まれている場合、ローン審査が通らなければ売買契約が白紙に戻るケースもあります。
売買契約が白紙に戻れば、売主はまた一から購入希望者を探す必要があります。売買契約当日に受け取った手付金も、無利息で返還しなくてはいけません。
デリケートな話題で聞きにくいという場合は、不動産会社に伝えておきましょう。タイミングを見て、うまく話を切り出してくれます。
不動産会社への仲介手数料の支払い
最後に、「不動産会社への仲介手数料の支払い」について。
仲介手数料は、売買契約時に50%、決済・引渡し時に50%支払うのが一般的です。売買契約時に支払うことになっている場合は、約束の金額を支払いましょう。
仲介手数料の支払いは、基本的には現金です。事情があって振込にしたい場合は、事前に相談するようにしましょう。
まとめ
売買契約当日は、何かと緊張するものです。落ち着いて臨むためにも、あらかじめ流れを確認した上で、必要なものを早めに揃えておくことをおすすめします。
売買契約を結ぶと、後々の変更はペナルティの対象になります。気になる点があれば、遠慮せずその場で質問することも大切です。