不動産会社選びは、マンション売却が成功するか否かを左右します。不安を抱えたまま媒介契約を結ぶのではなく、事前に重要な点を確認しておきましょう。
この記事では、不動産会社選びで不安を感じたときに役立つ、3つのチェックポイントを紹介します。
相談だけでは費用は発生しない!
世の中には、誰もが知っている大手不動産会社から、地元密着で営業している中小規模の不動産会社まで、さまざまあります。最近では実店舗を構えずに、主にインターネットを活用して営業している不動産会社もあります。
納得して選ぶには「実際に話してみる」ことが大切です。
これまで不動産会社に縁のなかった人の中には、「売却の相談をしたり、アドバイスをもらったりしただけで、相談料などの費用が発生するのでは?」と心配する人もいます。
しかし、相談やアドバイスだけでは費用は発生しません。売却が成立してはじめて「仲介手数料」が発生する仕組みになっています
不動産会社に関して知りたいことや疑問に感じていることがあれば、遠慮せず聞きましょう。納得できるまで無料で相談した上で、契約先の候補から外しても問題ありません。
まずは数社選んだ上で、絞り込む!
不動産会社を探していると、気になる会社が出てくるはずです。まずは数社選び、ホームページなどで情報収集しましょう。
情報収集が終わったら、実際に営業マンと話をしてみてください。その際、マンション売却をうまく進めてくれるかどうかを見極めるためのチェックポイントは、主に次の3つです。
- 自分の売主としての悩みを解決してくれるのか?
- 中古マンションの売却を強みとしているか?
- 売却にあたって必要な資格は持っているか?
それぞれについて詳しく見てみましょう。
自分の売主としての悩みを解決してくれるのか?
まずは、「自分の売主としての悩みを解決してくれるのか?」について。
不動産会社とコンタクトをとるとき、最初に確認したいのは「自分の立場や気持ちを理解した上で、親身になって話を聞いてくれるか?」という点です。
不動産を売却する人には、さまざまな事情があります。中には離婚のように、やむを得ない理由で売却する人もいます。
また、何から手をつけていいか分からず、不安に思っている人もいます。そもそもマンションが売れるのか心配している人もいることでしょう。
マンション売却は長丁場です。多くの場合、数か月という期間をかけて売却活動を行い、営業マンと二人三脚で売買契約、そして最終的には引渡しまで進んでいきます。
営業マンと話をして、どう感じるでしょうか?売主の悩みに寄り添い、解決のサポートをしてくれる営業マンでしょうか?役に立とうとする不動産会社であれば、自ずと最初の対応に寄り添う姿勢が出るものです。
中古マンションの売却を強みとしているか?
次に、「中古マンションの売却を強みとしているか?」について。
一言で不動産会社といっても、それぞれ得意分野もあれば、逆に不得意分野もあります。中古マンション売却を強みとしている会社かどうかをチェックしましょう。
不動産を扱う免許は1種類しかありません。免許さえあれば、不動産会社はどのような種類の物件でも仲介することができます。
ただし扱えるからといって、すべての分野に精通しているわけではありません。たとえば賃貸物件の仲介に長けているからといって、中古マンションの売却も得意だとは限らないのです。
マンション売却を専門としている不動産会社の方が、マンションをより早く高く売る方法を知っています。ホームページで情報収集した上で、本当に中古マンション売却が得意かどうかを確かめましょう。
マンション売却が得意かどうかを判断するための確認項目を、4つ紹介します。
インターネット広告をうまく活用しているか?
マンション売却において、インターネット広告は重要な戦略の一つです。
インターネット広告をうまく活用している場合、マンション売却を効率的に進めてくれる可能性が高くなります。マンション売却を依頼した場合、どのような媒体に掲載する予定か聞いてみてください。
インターネット広告の代表例は、全国の不動産情報を集めたポータルサイトです。
大手サイトとして、「SUUMO」(スーモ)や「アットホーム」、「HOME’S」(ホームズ)、そして「オウチーノ」などがあります。
これらの大手サイトで物件情報を公開するには掲載費がかかりますが、大切なことは費用対効果です。露出が多い分、マンションを探している人の目に触れる機会も増え、早期に売却できる可能性が高くなります。
内覧で物件をより魅力的に見せる手段を用意しているか?
マンションを売却する際、購入希望者がマンションを訪問する「内覧」は重要なポイントです。内覧のために、物件をより魅力的に見せる手段を用意しているか確認してみましょう。
内覧を成功させるためには、物が少なく、すっきり見える部屋が理想です。広さや住み心地のよさをアピールしやすくなります。
家具や雑貨などで溢れかえっているなら、「荷物の一時預かりサービス」が有効です。内覧のときだけ荷物を減らし、すっきりとした状態で内覧してもらうことができます。
空き家にして売るのであれば、「ホームステージング」ができるかどうかを聞いてみましょう。
ホームステージングとは、間取りやインテリアに合わせた家具や小物類を入れて、 モデルルームのような空間を演出することです。
殺風景な空き部屋に必要なものを配置することで、生活がイメージしやすくなり、購入意欲を高める効果が期待できます。
こうしたサービスの多くは有料ですが、費用対効果があるなら試したい方法です。そもそもサービスの用意があるのかどうかを確認しておきましょう。
リフォームの提案ができるか?
リフォームの提案ができるかどうかも、大事なポイントです。なぜなら中古マンションを購入する人の多くは、リフォームやリノベーションを前提としているからです。
中古マンションを売る場合、「売り出す前にリフォームをして、きれいにしておいたほうがいいのでは?」と考える売主も多いことでしょう。
不動産会社に関して知りたいことや疑問に感じていることがあれば、遠慮せず聞きましょう。納得できるまで無料で相談した上で、契約先の候補から外しても問題ありません。
実際には売主が事前に手を加えるよりは、リフォームにかかる費用やリノベーション例などを具体的に提示することで、交渉がスムーズに進むケースも多々あります。
とはいえ、売主は基本的にリフォームの素人です。実際には営業マンがリフォームに関する相談を行うことになります。
不動産会社の担当者が、リフォームに関する簡単な質問に答えることができるのか、具体的な相談をするにあたってリフォーム会社とのつながりはあるのかなど、確認しておきましょう。
売り出しから決済・引渡しまでの流れを説明してくれるか?
マンション売却にはさまざまなステップがあります。流れをすらすらと説明できるのか確かめましょう。
マンションの売却は、価格査定に始まって、売却活動や内覧、売買契約、そして決済・引渡しまで、さまざまな過程が存在します。
それぞれのステップで手続きや戦略が必要になり、営業マンの知識や経験が問われます。マンション売却における全体像を把握しているのか、話を聞いて判断しましょう。
なお、査定前に売却価格や売却にかかる期間を即答するような営業マンは、一見すると中古マンション売却に強いと思ってしまうかもしれません。
実はその反対で、信頼しないほうが良いでしょう。
新築と違い、中古マンションは使用年数や状態が価格に大きく影響します。査定もしないで軽々しく価格や期間を明言する場合、逆に中古マンション売却の事情に疎い可能性があります。
売却にあたって必要な資格は持っているか?
不動産会社のチェックポイントとして、最後にお伝えしたいのが「売却にあたって必要な資格は持っているか?」という点です。
不動産会社を訪れると、担当の営業マンは名刺をくれるはずです。記載されている資格の種類を確認しましょう。
担当者本人に必ず持っていてほしいのは「宅地建物取引士」の資格です。宅地建物取引士の資格は、不動産会社の事務所に5人に1人の割合で持っている人がいれば良いことになっています。
しかし高額の不動産、しかも個々の特徴によってかなりの知識が必要となる中古マンションの売却においては、担当者には必ず宅地建物取引士の資格を持っていてほしいものです。
宅地建物取引士の資格を持っていれば、「資格をとるだけの勉強をした」という、仕事に対する責任感と熱意も判断できます。
なお、不動産会社の中には、ファイナンシャルプランナーが在籍している会社もあります。
ファイナンシャルプランナーは、税金や保険をはじめ、住宅ローンや不動産などについて相談できる、いわば“お金のエキスパート”です。マンション売却に際して資金面に不安がある場合、ライフプランを含めて相談することができます。
マンションの売却が相続や譲渡など、税金面での問題を抱えているのであれば、税理士と提携していると安心です。また、住宅ローンの返済に困って売却を考えているのであれば、任意売却アドバイザーが相談役に適しています。
営業マン本人の資格を確認した上で、どのような専門家と提携しているのかも確認しておくようにしましょう。
まとめ
不動産会社に対して直接的な疑問をぶつけるのは、気が引けることもあります。
しかし、マンションを売りに出せば、より具体的な金銭面の話をしたり、問題解決に向けて踏み込んだ話合いをしたりする必要があります。
そういった場面でも、快く対応してくれる不動産会社かどうかを見極めるためにも、事前のチェックが重要です。この記事で紹介したチェックポイントを中心に、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。