マンション売却において、「内覧があるのに売れない」ケースが続く場合、何らかの理由があります。内覧者の生の声から「売れない原因」を探り、改善の手立てを打つことが契約への道を開きます。
この記事では、内覧があるのに売れない場合の対策についてお伝えします。
「買わない原因」をリサーチする
内覧を希望するということは、価格や立地、間取り、築年数などの条件はクリアしているということです。
にも関わらず内覧しても売れない場合は、購入意思に水を差す何らかのマイナス要素があるということです。
中古マンションの場合は、住人の使い方自体で室内の状況が大きく変わります。図面で見ると気に入ったマンションも、実物を見るとギャップを感じ、印象が下がってしまう可能性もあります。
内覧には来るものの、いっこうに契約に至らない場合、購入者の「買わない原因」を知ることが重要です。内覧者から不動産会社に断りの電話が入ったら、あわせて理由を聞いてもらうようにしましょう。
もちろん内覧者それぞれに「買わない原因」が異なるかもしれません。とはいえ共通する原因があるならば、改善に役立てる価値はあります。
よくある「買わない原因」と対策
では実際に、内覧があるのに売れない場合、どのような「買わない原因」があるのでしょうか?代表的な例と対策について紹介します。
イメージより部屋が狭く見える
まずは、「イメージより部屋が狭く見える」について。
部屋の広さは、居心地を左右する大きな要素です。部屋が図面で見るよりも狭く感じられたら、マイナス要素になってしまいます。
部屋が狭く見える原因として多いのは、家具やその他の物が多いことです。不要な物は処分する、収納スペースに片付けるなどして、できるだけ部屋が広く見えるようにしましょう。
住みながら売却活動を進めている場合は、処分することがむずかしいケースもあるでしょう。そのような場合は、トランクルームを活用した「荷物一時預かりサービス」が便利です。
不動産会社の営業マンに、提携しているトランクルームがないか確認してみましょう。
生活臭が染みついていて気になる
次に、「生活臭が染みついていて気になる」について。
生活臭とは、生活する上で必然的に発生するにおいのことです。住んでいると気づきにくい一方で、第三者はドアを開けた途端、そのにおいを敏感に察知します。
生活臭も、内覧者にとってマイナス要素となります。内覧前に、生活臭を軽減できるよう対策しておきましょう。
においがこもらないようにするには、こまめな換気が基本です。普段から頻繁に風を通しておきましょう。内覧直前も換気しておくことをおすすめします。
生活臭の発生源は一つではありません。さまざまな発生源から漂うにおいが複雑に絡み合い、その家独自の生活臭になっています。
生活臭を軽くするには、発生源を理解した上で、それぞれに対してアプローチすることが重要です。
たとえば、生活臭の主な種類と発生源は次の通りです。
- 生ゴミのにおい・・・キッチンのシンクや三角コーナー、ゴミ箱など
- カビのにおい・・・浴室の天井やタイルの目地、ゴムパッキンなど
- ヤニのにおい・・・壁紙やカーテン、灰皿の汚れ、喫煙者の服など
- 汗のにおい・・・靴箱や玄関マット、ソファ、カーペットなど
- ホコリのにおい・・・家具や家電に積もったホコリ、部屋の隅のホコリなど
このように、生活臭の発生源は室内のそこかしこにあります。
ゴミやタバコのように処分できるものは処分する、三角子コーナーや玄関マットのように洗えるものは洗うなどして、できるだけ「においのもと」を取り除きましょう。
完全に除去することが難しい場合は、消臭剤や炭などのにおい消しアイテムが便利です。
特に靴箱付近は、内覧者が室内に入ってすぐの場所にあります。 靴用の消臭剤を使う、炭を置いておくなど、念入りに対策しておきましょう。
汚れが目立ち、清潔感がない
続いて、「汚れが目立ち、清潔感がない」について。
自分ではきれいに掃除しているつもりでも、第三者から見れば汚れが目につくこともあります。内覧者から汚れが気になるという指摘を受けたら、さらに丁寧に掃除するようにしましょう。
とはいえ、住みながらマンションを売却する場合、どうしても生活による汚れが生じます。常に、しかも家中すべてをピカピカにしておくことは大変です。
住みながら内覧者を迎える場合は、特に目につきやすい水回りを重点的に掃除しましょう。
室内だけではなく、バルコニーも内覧者が意外とチェックする箇所です。床に汚れがこびりついていないか、四隅にホコリが蓄積していないかなど、内覧者の目線で確認し、掃除をしておきましょう。
詳しくは別記事にて紹介していますので、併せてご覧ください。
「改善できない原因」の場合は?
続いて考えるのが、「改善できない原因」のケースです。たとえば「バルコニーが狭い」「玄関が狭い」などは、手の打ちようがありません。
このような場合、次のうちどちらかの対策を選ぶことになります。
- 値下げする
- その点を気にしない買主を待つ
まず値下げについては、くれぐれも慎重に行いましょう。別記事(マンションが売れない!値引きすべき?値下げに適した時期は?)でも解説している通り、一度値下げすると上げることは困難です。
他の買主を待つ場合も、内覧者が多いという前提が必要です。内覧者が多く集まるように、改めて不動産会社の協力をあおぎましょう。
まとめ
内覧があるにも関わらず売れない場合、必ず内覧者が「買わない原因」があります。担当の営業マンから内覧者の声を聞き、改善のための対策を行いましょう。
ただし費用対効果も大切です。別記事(マンション売却前にリフォームした方が良い?)でも説明している通り、大がかりなリフォームは慎重に判断する必要があります。
同様に、安易な値下げも避けたい手段の一つです。営業マンと細やかに打ち合わせしながら、効果的に対策を行いましょう。