マンションを売却すると、旧住所から新住所へと住民票を移します。その期限は引っ越しから14日以内と決まっており、市町村役場で所定の手続きが必要です。
この記事ではマンション売却による住民票移動(異動)に関して、タイミングや手続き方法などをお伝えします。
住民票の異動は、14日以内に!
マンション売却が決まれば、決済・引渡し日までに引っ越しを行います。住民票は、新しい住所に引っ越した日から「14日以内」に移さなくてはいけません。
住民票には、氏名や生年月日、性別の他、住所や世帯主との続柄などが記録されています。住民票は、国民健康保険や国民年金、児童手当など、さまざまな行政サービスの基礎となっています。
住民票の移動は法律で定められた義務です。住所が変わる場合は、必ず住民票の移動を行いましょう。
正当な理由なしに移動を怠り期日を過ぎた場合は、ペナルティの対象となります。最高5万円の過料が課せられることもありますので、くれぐれも注意しましょう。
(参考)総務省:「住所の異動届は正しく行われていますか?」
住民票移動には「転出」と「転入」がある
住民票移動の手続きには、「転出」と「転入」の2つが必要です。自治体によってやや異なりますが、それぞれ手続きできる期間が決まっています。
・転出・・・原則として、引っ越しが決まってから引っ越し日まで
・転入・・・引っ越し日から14日以内
それぞれについて、詳しく見てみましょう。
転出の手続き期間
マンションを売却して他の市区町村に引っ越す場合は、市区町村役場でまず「転出」の手続きをする必要があります。この転出手続きをしておかないと、後ほど説明する「転入」の手続きができません。忘れずに行いましょう。
一方、同じ市区町村内で引っ越す場合、転出手続きは不要です。後ほど説明する転入手続きのみで構いません。
転出手続きを行う期間は、原則として「引っ越しが決まってから、引っ越しする日まで」です。
自治体によって事情が異なり、転出届の受付を「引っ越し日の14日前から」としている場合もあります。お住まいの自治体のホームページなどを見て、事前に調べておきましょう。
また原則として、転出届は引っ越し日までに提出することになっていますが、既に引っ越してしまった場合は、郵送での手続きも可能です。
ただし、くれぐれも「引っ越しから14日以内」という期限を忘れないようにしましょう。
転出手続きに必要な書類や方法については、後ほど具体的に説明します。
転入の手続き期間
引っ越した後は、市区町村役場で転入の手続きを行います。
転入手続きを行う期間は、引っ越し日から14日以内です。先ほどの説明通り、期限を過ぎると最高5万円の過料が課せられる可能性があります。
うっかり手続きを忘れることがないように、いつまでに手続きが必要かを把握しておきましょう。
転出と転入、それぞれの手続き方法
続いて、転出と転入の手続きに関して、それぞれ詳しく見てみましょう。
旧住所での「転出」手続き
転出のための書類の提出先は、旧住所地の市区町村役場です。窓口に備え付けてある住民異動届に必要事項を記入して、必要書類と共に提出します。
住民異動届の名称は、自治体によって「住民異動届書」や「住民票異動届」など、やや異なることもあります。
東大阪市ホームページより引用
必要な書類も自治体ごとに異なりますが、一般的な必要書類は次の通りです。
・本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
・印鑑
・国民健康保険証(加入者のみ)
・印鑑登録証(登録者のみ)
・マイナンバーカードまたは住民基本台帳カード など
所定の手続きを行うと、転出証明書が交付されます。転出証明書は、転入手続きの際に必要な書類です。大事に管理しましょう。
名古屋市ホームページより引用
引っ越し先で転出証明書をすぐに使えるよう、他の重要書類とまとめておくことをおすすめします。
新住所での「転入」手続き
転入のための書類の提出先は、新住所地の市区町村役場です。転出の際と同じく、住民異動届に必要事項を記入して、必要書類と共に提出します。
必要書類も同様ですが、転入の場合は、転出手続きの際に受け取った転出証明書が必要です。忘れずに持参しましょう。
ただし、同じ市区町村内で引っ越す場合は例外です。転出手続きをしていないため、転出証明書はそもそも交付されていません。念のため必要な書類を事前に確認した上で、手続きに行きましょう。
旧住所で「印鑑証明書」を1通とっておく
転出手続きに関して、覚えておきたいことがあります。
転出手続きを行って引っ越しする場合、「転居日の前日までに、印鑑証明書を1通交付してもらう」ことをおすすめします。
転出手続きを行うと、自動的に印鑑登録の廃止手続きが行われ、転居日からは旧住所の印鑑証明書がとれなくなってしまいます。
マンションを引き渡す決済日当日、所有権移転登記をするにあたって、印鑑証明書が必要です。
新住所の印鑑証明書でも問題ありませんが、その際は住所変更登記をしなければならず、余分な費用がかかってしまいます。
自分で住所変更登記の手続きをすれば、かかる費用は登録免許税1,000円のみですが、司法書士に任せることが一般的です。相場として1万円ほどの費用がかかるため、できれば旧住所の印鑑証明書をとっておきましょう。
ただし注意すべきが、「発行から3か月以内」の印鑑証明書を用意するという点です。
早くに印鑑証明書の交付を受け、決済日に3か月以上経っていると、印鑑証明書が無効となってしまいます。決済日からさかのぼって3か月以内であることを確認して、準備するようにしましょう。
まとめ
マンション売却で引っ越す場合、住民票の移動を行いましょう。期限は引っ越しから14日以内と定められています。転入手続きの際は、転出時に受け取った転出証明書も忘れずに持参しましょう。
決済・引渡し日には、旧住所の印鑑証明書も必要です。転居日の前日までに、1通とっておくようにしましょう。