「土地を売ろうと思っているけど、価格の相場が分からない」
「そもそも土地の価格の種類が分からないので相談もできない」
「価格の相場を調べてから不動産会社に行きたいが調べ方が分からない」
など、土地を売却しようと思っても価格の相場や種類が分からなければ相談をすることもできません。
この様にお困りの方のために、不動さんが「土地を売却する時の価格算出方法」「売却する前に相場価格を調べる具体的な方法」について住マイくんに教えてくれるみたいです。
一緒に解説を聞いて参考にしてみましょう!!
土地の相場価格を調べる前に知っておきたいこと
「土地の評価価格はどのように算出されるのだろう?」「自分の土地にはどんな評価方法が合っているの?」など思っていたりする場合もあると思います。
そこで、土地の売却における「売却価格の評価基準」について詳しく解説していきます。
評価基準① 公示地価
「公示地価」とは「地価公示法」という法律の元に、国土交通省にある「土地鑑定委員会」が公示している評価額になります。
この評価額は1年に一回必ず公示されるため、毎年少しずつ金額が変更されるのが特徴です。
公示される対象の土地は、基本的に都市計画法によって定められた都市計画の区域内だけになっています。
ただし、都市計画の区域外でも公示価格が定められることもあります。
土地の売却取引がある程度行われているような場所は、都市計画区域外でも対象になったりするのです。
また、公示地価が算出される主な目的は以下の2つです。
・公共事業に使う土地取得の基準価格を算出するため
・土地を売却する時の基準価格にするため
この2つの目的のために、全国にある様々な土地の評価額を集めています。
そして評価額の算出をするのは不動産鑑定士になります。
この不動産鑑定士は難関国家資格を突破した人のみが就ける職業です。
二人以上の鑑定士が各々評価額を出して、評価額を調整した金額を正式な「公示地価」とします。
公示地価について
評価基準② 路線価
相続税を課税するためには土地の価値を決める必要があります。
その課税の基準となる評価額としているのが「路線価」です。
路線価の目安としては、公示価格の80%ほどになります。
この路線価を決めるためには専用の調査を行わなければいけません。
法律によって厳密に決められた調査をして、国税局が調査結果から具体的な金額を決めます。
路線(=道路)ごとに価格が決められるので、同じ通りに面している土地はすべて同じ評価額になるのが特徴です。
路線価について
評価基準③ 基準地価
「基準地価」は「国土利用計画法施行令」に沿って、各都道府県が1年に一回(9月ごろ)に発表する評価額です。
評価額としての目的や算出する方法などは、公示地価とほぼ一緒です。
しかし大きな違いもあります。
公示地価の場合は、主に都市計画区域内を評価対象していますが基準地価は都市計画に入っていない土地を対象としています。
一般的な土地ではない工業地や商業地なども対象になっています。
また、公示地価を決めるのは不動産鑑定士2人以上ですが、基準地価は1人でも可能となっています。
そのため1人で算出していては精度が落ちるのではないかと心配になるかもしれませんが心配はいりません。
不動産鑑定士が行う評価自体、非常に精度が高いので安心してもいいでしょう。
基準地価について
評価基準④ 固定資産税評価額
「固定資産税評価額」は固定資産税を課税するために必要な評価額になります。
総務大臣が固定資産評価基準を決めて、それに基づいて各都道府県の市町村長が最終的な評価額を決定します。
その決められた評価額をもとに固定資産課税額を算定するのです。
また、固定資産税評価額を計算する方法は「路線価方式」「倍率方式」の二種類があります。
それぞれ適用される条件は以下の通りです。
・路線価方式:路線価が決められている地域
・倍率方式:路線価が決められていない地域
多くの場合、公示地価の70%ほどの金額になります。
また、他の評価額は毎年算出していますが固定資産税評価額は3年に1度の算出になっているのも大きな特徴のひとつです。
算出時期は、3年ごとで3月の下旬ごろの発表になります。
固定資産税評価額について
評価基準⑤ 取引事例からの比較
土地を売却する場合、不動産会社に査定してもらうことになります。
ですが、ここまでの方法を不動産会社が査定で使っているかと言われるとそうでもありません。
ではどのように査定額を決めているのでしょうか?
それは、不動産会社は過去の取引事例を参考に評価額を算出しています。
売却を予定している土地の近くで、すでに売却された土地の金額と同じような価格を売却開始価格とするのです。
また、不動産会社の主観も入るのでここまでの公的な評価額に比べると、かなりの金額差が出てしまうこともあります。
土地を売却する前の価格を調べる具体的な方法
土地を売却する前に所有している土地がどれくらいの価値があるか調べてみましょう。
簡単に調べれる方法と少し手間が掛かりますが正確に調べることが出来る方法を紹介します。
【簡単】不動産情報サイトで価格を調べる
土地の価格を簡単に調べる方法として最もいいのが、不動産情報サイトを使って「今売りに出ている近隣の土地の価格」を調べることです。
主な不動産情報サイト
・Yahoo!不動産 http://land.realestate.yahoo.co.jp/
・goo住宅・不動産 http://house.goo.ne.jp/buy/la/
・アットホーム http://www.athome.co.jp/sell/14/
・スーモ http://suumo.jp/tochi/
・ホームズ http://www.homes.co.jp/tochi/
・@nifty不動産 http://myhome.nifty.com/tochi/
ただし、これは土地だけでの価格ではない場合が多く、土地だけで調べたとしても家が建っている物件も検索に含まれてしまうことがあるので正確に価格を知ることは難しいです。
また、売り出されている価格はあくまでも売主の希望価格なので、時価や実勢価格と大きくずれている場合もあります。
さらに土地の条件によって価格は大きく上下することがあるので、あくまでも目安の価格を簡単に知りたい場合のみ活用するようにしましょう。
【簡単】土地総合情報システムを使って調べる
国土交通省のサイトにある土地総合情報システムを使って土地の価格相場を調べる方法になります。
このサイトでは、実際に取引された不動産の取引価格を知ることが出来る「不動産取引価格情報検索」と標準値や基準値を確認することができる「地価公示都道府県地価調査」があります。
実際の取引価格を調べる
不動産取引価格情報は実際に取引された価格や土地の面積、形状などを調べることができます。
データがかなり多いので取引時期、不動産種類、ソート機能を使い分けて使いましょう。
取引時期、不動産種類、地域の指定ができます。
時期は必ず直近を選びましょう。
過去の推移も含めて調べたい場合は、過去1年間を含むや過去2年間を含むと指定してみましょう。
また、不動産の種類は必ず指定してください。
地域は細かく指定することが可能なので、実勢価格を知りたいポイントに絞って検索することができます。
さらに、ソート機能を使えば結果を見やすくすることもできます。
条件を指定して表示される結果は、坪単価、面積、平米単価などは多い順や少ない順に、形状や種類などは種類別に並び替えもできます。
項目の横に▼▲のマークがあるので、そこを押すことで並び替えをすることが可能です。
並び替えをすれば、自分の売却したい土地と近い条件の土地を見つけやすいです。
実勢価格は平米単価や地域が同じだとしても価格の幅が広いので「自分の土地と同じ条件の土地」というのはなかなか見つかるものではありません。
さらに写真や地図を実際に見れないので詳細が不明という点もデメリットです。
そのため、これもあくまで簡易的な土地の価格相場調査になります。
標準値と基準値の価格を調べる
地価公示都道府県地価調査では、標準値の価格と基準値の価格を調べることができます。
しかし、ポイントが限られているので「ここの正確な価格はいくら?」ということは知ることができません。
昭和45年からのデータを見ることができますが、推移を知りたい場合を以外は最新調査年だけで検索します。
土地の用途も区分で分けられているので、売却したい土地と同じ用途の土地に絞って検索することができます。
また、検索結果は若干見にくく、見たいポイントが無い場合もあります。
地価公示価格は先ほど説明した通り、不動産鑑定士や地元業者の精密な話し合いで価格が決定されます。
そのため、自分で調べる方法の中では最も精度が高い土地の価格相場になります。
ただし公示されるポイントが限られているので、不動産会社も路線価や実際の取引価格から査定をしなければならない現状があります。
また、公示価格は一般的に実勢価格の90%程度の価格だと言われています。
【もっと詳しく】複数の不動産会社に査定依頼
ここまでの方法を使えば自分で調べておおまかな相場の予想をすることができますが、正確に土地の価格相場を知るには不動産会社に査定してもらわないと分かりません。
それも、1つの不動産会社だけでは相場通りなのかを見分けることができないので、土地売却時には複数の不動産会社からの査定が必須です。
不動産会社によって土地の価格に差が出る
不動産会社は大手から中小企業まで多くの会社があります「住宅用地の販売が得意」「市街地農地の販売が得意」「時期を重視して値段をつける」など、その営業活動方針もそれぞれです。
また、査定を依頼した不動産会社が現金が早く欲しい状況だったりすると、早めに売却できるように相場よりやや低い査定額を提示してくることもあります。
不動産屋による土地査定額の違い
A社 | B社 | C社 | D社 |
---|---|---|---|
4,480万円 | 3,980万円 | 4,300万円 | 3,750万円 |
同じ物件を査定しても査定額にこれだけの差が出ます。
不動産会社1社だけに査定して貰うだけでは相場が分からないので、最低でも3社には査定を依頼した方がいいです。
また、1社ずつ申込みをしていたらかなり大変なので不動産一括査定サイトを利用すると便利です。
一括査定サイトでは、1回の入力で自宅から査定依頼をすることができ、複数の不動産会社からそれぞれ査定額を出してもらう事ができます。
複数の不動産会社に査定してもらうことで、初めて土地の正確な価格相場が分かります。
また、売却をする時に1番高い査定額を付けてくれた不動産会社に頼もうと考えてしまうかもしれませんが「この査定額になった根拠は?」「この金額で売却するためには?」など、どういう売却活動をしていく予定なのかを担当者に確認することが重要です。
【もっと詳しく】路線価から価格相場を調べる
この方法は路線価から土地の価格相場を調べる方法です。
路線価は相続税や贈与税の計算に使われるものですが、価格相場を調べる時でも参考になります。
路線価は国税庁が毎年7月に公表していて、インターネット上でも閲覧することができます。
国税庁 路線価図・評価倍率表(http://www.rosenka.nta.go.jp/)
路線価に付いてより詳しく知りたい方は、下記の「不動産売却で重要な路線価と実勢価格とは?」をご覧ください。
路線価をより詳しく計算する方法
路線価を使って土地の価格を調べるには、様々な補正率を考慮する必要があります。
土地は形が正方形に近ければ近いほど評価が高くなります。
間口が狭かったり、三角形のような特殊な形状をしている土地は評価が下がってきます。
このような土地は「路線価×平米数」で単純に計算することはできません。
必ず補正計算が必要です。
路線価は実勢価格よりも約2割~3割程度安くなっています。
算出した路線価よりも相場は高いということを理解しておきましょう。
【土地の評価額が下がる例】
・土地の形が悪い
・建物が建てにくい
・日辺りが悪い
・土壌汚染がある
・道路に面してない
・土地の一部に道路がある
・墓地の隣
・高圧線が上に通っている
などです。
評価額の加算・補正の種類
① 奥行価格補正
② 側方路線影響加算
③ 二方路線影響加算
あくまで相続の時に使う評価
加算や補正の他にも、間口狭小補正率、奥行長大補正率、不整形地、無道路地、についての補正など評価を下げるための制度も多くあります。
もともと路線価というのは、相続や贈与の時に「この土地の評価はこれくらいだから税金はこれくらいかかります」という計算で使用するものなので、実勢価格とは差があります。
不動産会社に出してもらう査定のように「いくらで売れるだろう」という計算とは少し違うので注意しましょう。
ここまで土地の売却価格を調べる方法を紹介しました。
まずは所有している土地がいくらなのか知っておくことが大切です。
査定してもらう時も売出価格を決める時もどれくらいの価格になるのかを知っておかないと損をしてしまうかも知れません。
自分の土地はそれくらいの価値があるのかをあらかじめ調べておきましょう。
また、相場価格の調べ方に付いてもっと詳しく知りたい方は、下記の「不動産の売却相場の調べ方は?」も参考にしてください。